09.三対三 ページ11
翌、土曜。
三対三当日を迎えた。
ちなみに、もう二人の一年生は月島と山口と言うらしい。君付けは面倒くさいからもうやめる。
どっちも背が高くて将来有望(?)である。
「よーし、じゃあ始めるぞ！ 月島達の方には俺が入るから＿＿＿＿」
「ええっ、キャプテンが！？」
日向がまるで絶望を顕にしたかのような顔をした。澤村は「攻撃力は田中の方が上だから」なんて言っているが、澤村はスパイクよりレシーブの方をたくさん練習してきたくせに何を言っているんだか。
「あーオホンッ」
何故か月島が咳払いをしているのを見て、前の田中の“朝練七時ですよね事件”が頭をよぎる。
「……田中より随分きれいな咳払いですこと」
「ちょっ、Aさん！？」
「
明らかに煽っているとしか思えない月島のセリフ。これだけ聞いたら漫画でよく見るただの性格悪い悪役じゃんこれ。
「ちょっ……ツッキー、聞こえてるんじゃ……？ やばいよっ」
「聞こえるように言ってんだろうが。冷静さを欠いてくれると有難いなあ」
「月島、良い性格の悪さしてるね〜」
澤村が止めないあたり大丈夫……なのだろうか。
まあ男子バレー部が誇る頼れる主将だし大丈夫なんだろう。
「＿＿＿＿とくに、
影山を見てみると、険しい顔つきだった。実は影山も意外と中学時代のことを引きずっているのかもしれない。
「ねえねえっ、今の聞いたあ？？ あ〜んな事言っちゃって」
まじで最近の田中ちょっと頭おかしいなと思いながら突然オネエ言葉になる田中を見る。
うん。
マジでやばい。
「月島クンてばもうホント、……擂り潰す！！！」
「……わぁー……、肉食動物みたい。ね、潔子」
「うん」
三対三、試合が始まる。
……が、しかし。
試合も終盤に入ってきた頃。
「……ごめん、今日これから塾あるから帰らないと……」
「わかった。頑張ってね」
「うん、ほんとごめんね潔子」
「大丈夫だから行っておいで」
「はー……い」
私は自分の荷物を掴んで、そのまま体育館を後にした。これからも、引退までこういうことばっかりになるんだろうな。きっとそれは必然。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
