15.勝敗 ページ17
月島のレシーブで受けきれなかったボールは二階のギャラリーまで飛んでいった。
「い゛っ……！？ なんつー威力……！！」
「見てるこっちが痛いですね……」
威力だけじゃなくてコントロールもきいたサーブ。本来であれば、威力の高いサーブほどコントロールはききにくくなる。
これが影山の先輩なのかと考えると気が重くなる。
守備の穴を見兼ねて、レシーブが得意な澤村が守備範囲を広げる形でフォーメーションをいじった。
……というのに、その圧倒的コントロールでまた月島を狙ってきた。
「なにあの人……こっわ……」
なんとかボールは上がった、が、青城のチャンスボールとなってしまった。
烏野は三枚ブロックを固めたものの、月島と影山が後衛にいるせいで高さが足りない。
相手の八番がスパイクを決める寸前、日向が移動してきてワンタッチで烏野側にボールが戻ってきた。
日向の攻撃はないと思ったのに、とんでもない速さで日向がライトに飛んで、さっきの速攻により相手コートにボールが落ちた。
＿＿＿＿烏野の勝ちだ。
「……どいつもこいつも妖怪ばっか」
＊
「……」
広い校舎の中で私一人。何やってるかって？ 迷子だよ。
トイレに行こうとしたら道に迷った。
私立校ってなんでこんな広いの……。
「……あ、烏野のマネージャー」
後ろからか細い声が聞こえて、振り向くとさっきの練習試合にも出てた青城の七番(仮)がいた。
わかりやすく言うとセンター分けの人。
「何やってるんですか」
「ト、トイレどこかなぁ……って」
「迷子やってるんですね」
「……」
ストレートな物言い。もしかしたらこの子はストレート打ちが得意なのかもしれない。……いや違うな。月島と同じような何かを感じるからフェイントか。
「……あの、
「え、あ、はい、そうです……けど」
なんで知っているのだろうか。この人北川第一でしょ？ さっき影山から聞いたよ。練習試合で七番と八番のビブス付けてた人と同じ中学だったって。
「……俺が行ってた中学校、吹奏楽部も毎年県大会行って、たまに東北大会行くって感じでそこそこ強かったんですけど」
思い返してみると、そういえば北一も吹部強かったなぁと思い出す。
「……えっと、烏野のマネージャーさん」
「あ、浦塚Aです」
「浦塚さん、麗里中の吹奏楽部じゃなかったですか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
