Landmines ＊18＊ ページ20
A Side
「……」
「母さーん！ Aがスープこぼしたー！！」
「えっ！？ A、今日どうしたの！？ 帰ってきた時も土足で家あがっちゃうし！」
夕飯の時。
大学生のお兄ちゃんとお母さんの何やら騒がしい声が聞こえるが、そんなことはどうでもいい。
(……幼馴染に抱きしめられてしまった)
あの後、放心状態になって何も喋らなくなってしまった私を堅治が引っ張って家まで送ってくれたが、放心状態は変わらず、なんと土足で家に入ってしまったのだ。
─────『俺、Aが思ってる以上にAのこと好きだよ』
あの言い方は、LOVEであってる、はず。
堅治は私が『嫉妬』していると言っていたけど、実際私はどうなんだ。
嫉妬していたとして、私は堅治が好きなのか。
それすらわからなくなってきた。
散々嫌いだ嫌いだと言っておいて、あんなこと言われたら顔が熱くなるとかどういうこっちゃ。
「……お、お母さん」
「なに？」
「き、嫌いだと思っていた人に嫉妬するって……な、なんだと思いますかコラ」
「訊き方どうしたコラ」
「母さん、ノらなくていいから」
冷静なお兄ちゃんのツッコミにお母さんは少し眉を寄せたが、すぐにいつも通りの穏やかな表情に戻った。
「うーん。そうねえ。Aに何があったかは知らないけど、私もお父さんのこと最初は嫌いだと思ってたのよね。でも偶然か必然か、一緒に行動することが多かったせいでいつの間にか好きになっちゃってたみたいで、お父さんが他の女の子といたら嫉妬したりしたのよねえ。つまりそういうことよ！」
「……」
「あ、えっとな、A。嫉妬っていうのはその人に好意があるからするもんなんだよっていうのを母さんは言いたいんだ」
家族の中で数少ない国語強者のお兄ちゃんが代弁してくれた(もう一人はお父さん。私が国語苦手なのは完全にお母さんの遺伝だ)。
「……そういうもんなの？」
「そういうもんよ。嫌いな人ってのは、それはイコール “ どうでもいい人 ” だからね。どうでもいい人に嫉妬なんかしないわよ」
なんとなく頭に堅治がよぎる。
私をバレーに誘ってくれたのは堅治で、もう辞めてしまったけど、中学の時は本気でやってた。
大会で負けた時、泣いている私の一番側にいてくれたのも堅治だった。
私は ──────。
「っあー！！ 地雷踏んだくせにムカツク！！」
私の絶叫が家中にこだまし、後でお母さんに怒られた。
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昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» こちらこそ、いつもコメントありがとうございました！ とても励みになり、本当に感謝しております。 国見ちゃんのも是非！ (2021年4月20日 17時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー！！ - あ………終わっちゃった………ありがとうございました！国見君のも見ますね〜♪ (2021年4月20日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» 白布君いいですよね！ (2021年4月17日 8時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー！！ - はいっ☆白布君で書いてます！ (2021年4月16日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» IDを見て同じ方かな？ と思っていたのですが、そうでしたか！ わざわざご報告感謝致します。 ハイキュー！！ さんも小説書いていらっしゃるんですね！！ (2021年4月15日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年3月28日 15時
