Landmines ＊12＊ ページ14
二口 Side
「あー……ごめん」
昼休みの中庭。特に初めてではない告白を断ると、女子生徒は涙目で「そっか」と言ってその場を去っていった。
……つか俺、アイツの名前すら知らないし。
告白は人生の中で何回か受けてきた。
その度に断ってきたけど。
……いつの日か、Aに言われたことがある。
『堅治って女遊び激しそう』
そういう偏見を持たれているらしい俺は、自分で言うのもあれだがちゃんと一途だと思う。
幼稚園の時から一緒で、恋心を自覚したのが小学生で、関係を拗らせて十年。
今まで告白されたことがあるという話はAにしてこなかった。
もし、このことを言ったらAは、少しだけでも、嫉妬してくれたりはするのだろうか。
「堅治」
「っ！？」
丁度脳内で考えていた奴の声が聞こえて、思わず肩を震わせてしまった。なっさけな……。
後ろを振り向いて見えたAの顔はどこか平然としていた。
「前に貸した数学の教科書返して」
「あ、そういえば借りパクしたままだったわ」
「今日の二時間目数学だったのにえらいこっちゃだったんだけど」
「ドンマイ」
「アンタのせいじゃん」
Aが眉間に皺を寄せて綺麗に手入れされた髪の毛先をくるくると弄りながら言う。
その時点で、幼馴染ということで色々と察してしまった。
「……さっきの聞いてた？」
「何、さっきのって」
「お前さあ、わかりやす過ぎるんだよ。
Aは、俺に言われてようやく気付いたらしく、髪を弄っていた指を見て直ぐに解いた。
「いや……だって修羅場じゃん。人様の告白場面に居合わせましたなんて。……そういう場面になったら、なんか話しづらいし」
「へえ、なんで？」
「『なんで』って……。言われても……ねえ」
これは単純に語彙が無いのか、もしくはまた何か隠そうとしているのか。
さっきクセを指摘したせいで、もう指はフリーになっている。くっそ、言うんじゃなかった。
国語が苦手なAに語彙力が皆無なのはもう随分前から知っている。
これは訊き方を変えた方が良い。
「A、俺が告白されてるの見てどう思った？」
これは一種の賭けだった。無愛想で素直になれないAがどう答えるのか。
『別に何とも』って切られてしまうか、少しは嫉妬してくれたのか。
どうせなら、少しくらいは嫉妬していてほしい、なんて。
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昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» こちらこそ、いつもコメントありがとうございました！ とても励みになり、本当に感謝しております。 国見ちゃんのも是非！ (2021年4月20日 17時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー！！ - あ………終わっちゃった………ありがとうございました！国見君のも見ますね〜♪ (2021年4月20日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» 白布君いいですよね！ (2021年4月17日 8時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー！！ - はいっ☆白布君で書いてます！ (2021年4月16日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ハイキュー！！さん» IDを見て同じ方かな？ と思っていたのですが、そうでしたか！ わざわざご報告感謝致します。 ハイキュー！！ さんも小説書いていらっしゃるんですね！！ (2021年4月15日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年3月28日 15時
