02.ふたりの相性 ページ4
「体調の方は大丈夫か?」
病室のベッドに移動し、煉獄さんとお話する。
「はい!元気です!」
ぐっと手の動作もつけて元気であることを知らせると、心做しか煉獄さんはホッとしたような顔をした。
「まさか上弦の参とひとりで交戦するとはな……」
煉獄さんが指を私の髪に絡める。
時折、頬に触れる温もりを保った指がくすぐったい。
「手加減されてたから生きて帰ってこれただけだと思いますけどね……。もっと鍛えないと」
『人を守るために』
鬼殺隊として果たさなければならない使命。
どんなに滑稽だと、惨めだと言われようが、
人のため、世のために力を尽くし朽ちていく。
誰かのために命を懸けることができる人間は、素晴らしくて愛おしい。
その私の価値観だけは、崩したくない。
「……本当に」
いつしか、その温かい手は後頭部と背中に回されていた。
「よく生きて帰ってきてくれた」
体全体に感じる温もりに生気を感じる。
……ああ、やっぱり
この匂いが一番好き。
その手の温もりの中で瞼を落とす。
いつこの幸せが崩れるかなんて、知れたものではないけれど、任務の間のひととき、少しは身を委ねても良いよね?
───────
しのぶ視点
煉獄さんの腕の中で眠ってしまったAさんの様子を覗き見て、病室の外でやれやれと肩をすくめる。
本当にあの二人の仲のいいことと来たら……。
『炎柱』と『雪柱』
性格も まったく似ておらず、呼吸の相性も悪い二人。それでいて、周りが恥ずかしくなるほど愛し合っているのには理由がある。
初対面の時には、煉獄さんはともかくAさんは煉獄さんに対して、かなりの苦手意識を持っていたと客観的に思う。
元々、人と積極的に仲良くしようとはしないAさんにとって煉獄さんのような性格の人はかなり刺激的に感じたのだろう。
すべてにおいて反対のように見える二人。
けれど、二人には一つだけ共通している部分がある。
それは『価値観』だ。
『人を守るために、誰かのために命を懸ける』
そのために二人は鬼殺隊として鬼を狩っているといっても過言ではない。
炎柱としての煉獄さんの姿を見たAさんが、徐々に心を許していったような形なのだろう。
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鮭大根大好き - 我妻レイさん» 半天狗の玉壺,,,上弦の壱弐参と並べたら,,,はい笑← (2020年11月12日 20時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(サブ垢)(プロフ) - 我妻レイさん» ありがとうございます。更新がんばりまっす! (2020年11月3日 10時) (レス) id: 4ec626281e (このIDを非表示/違反報告)
我妻レイ - 確かに笑敵枠としては重要キャラかもしれませんなぁ…!!絶対伍はもう外見がいかにも敵です!っていうキモさだもんなぁ(失礼)はは…更新ファイトです! (2020年11月2日 21時) (レス) id: 652a598782 (このIDを非表示/違反報告)
りんご昆布の神(プロフ) - 我妻レイさん» 肆と伍は過去も同情できるようなキャラではないですからね……。でもあの歪んだ性根は敵枠としては好きですw 推しにはできませんが……() (2020年11月2日 12時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
我妻レイ - 鬼滅の刃って嫌いな人が少ないんですよね…みんな嫌いになれないっていうか…あ、ただし上弦の肆上弦の伍お前らはダメだ。 ……はい!、更新頑張ってください(*^^*) (2020年11月1日 23時) (レス) id: 652a598782 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2020年10月25日 22時