真珠の如く消えてしまえばいいのに。【鬼滅の刃】

14.受け入れられない ページ16

てか今更だけど猗窩座ぜんぜん出てこねぇ……。
ハハッ(((

───────
お館様は反対意見もすべて想定内だったのだろう。御息女に「手紙を」と促し、御息女が懐から手紙を取りだし開く。


「こちらの手紙は、元柱である鱗滝左近次様から頂いたものです。一部抜粋して読み上げます」


元柱……？思わぬところで出てきた単語に顔をしかめる。元柱が何故……。


『───────炭治郎が、鬼の妹と共にあることをどうかお許しください。
禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。
飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま二年以上の先月が経過いたしました。
にわかには信じ難い状況ですが、紛れも無い事実です。
もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び、』


「……鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します」


呆然とする柱達の横で少年は冨岡さんを見て涙を流していた。
……何故、鬼に対してそこまで出来るのか私にはわからなかった。
冨岡さんも、鬼に家族を殺されたはずなのに。


「……切腹するからなんだというのか」


やはり不死川さんも、未だに受け入れられないみたいだ。

「死にたいなら勝手に死に腐れよ。何の保証にもなりはしません」


煉獄さんも続けた。


「不死川の言う通りです！人を喰い殺せば取り返しがつかない。失われた人は戻らない！」


少年にとって鬼になった妹は、自分の最後の希望で、でも私達は鬼が憎くて、鬼によって奪われた命を見てきて。
人と人なのに、同じ人間なのにこんなにもわかり合えないものなのか。


「……確かにそうだね」


お館様が優しい表情を崩さず、頷いた。


「では……」


「お館様！」


「人を襲わないという保証ができない、証明ができない。……ただ、人を襲うということも、また証明ができない」


そこでようやくそのことに気付く。


「禰豆子が二年以上もの間、人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人の者の命が賭けられている。これを否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない。
皆にその意志はあるかな？」


思わず押し黙ってしまう。
ギュッと唇を噛む。


「それに、私の子供達に伝えておかなければならないことがある。……この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」


「鬼舞辻……！？」


「そんなまさか！柱ですら誰も接触したことが無いというのに！！コイツが！？
どんな姿だった！？能力は！！場所はどこだ！！」

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