24.独特な ページ26
「プラネタリウムってこんな大きかったんやな」
暫く歩けば目的地に到着した。チケット購入は角名君は前もってしていてくれてらしい。お金を払おうとしたら『祝われる側の人は払うな』と言わんばかりの顔をされたので押し黙った。
「来たことないの？」
「そういうわけやないけど、最後に行ったの小学二年生の時やから少し記憶が薄れてて」
と言ってもだ。本物の星空ではないとはいえ、天井の画面に映し出された星々は今でも脳の奥に眠っている。
「……夏の夜って、ええよなぁ」
六月は夏……かは、知らない。梅雨？
いや、四季のうちなら夏に入るか。
「あ、そこの席」
角名君がさりげなく私の手を引いて誘導してくれる。何この人イケメンかよ。
……でも、角名君ってあんまり女子と絡んでるような印象は無い。
何度も言うが、男子バレー部は宮ツインズを筆頭に女の子達に大人気だ。なぜなら部員の顔面偏差値がアホみたいに高いから。
でも男バレの人達にその女子人気を鼻につけるような人はいない。寧ろどこか迷惑そうにしているイメージ。
まあぶっちゃけ喧しいよなぁ。
有り得ない話ではあるが、仮に私が生徒達から大人気だったとして、でもオーボエの練習中に黄色い声なんてあげられたら音が大事な吹奏楽の練習において迷惑極まりない。
角名君がやたらと私に構ってくるのは、何か通ずるものがあったのか……いや、それはないか。
だって私、別に全校生徒から人気じゃないし。
……運動、短距離と長距離しかできないし。球技とかセンス無さすぎて。
一人でいろいろ考えていると、角名君との会話が何も無かったことに気づき、とりあえずなんか話しかけてみる。
「角名君」
「何？」
「ＩＨ全国おめでとう」
「今？」
角名君は苦笑して、「まあ、ありがとう」と言ってまた笑った。
「……ああ。確かに普段無表情の人が笑ったりすると、女子の母性本能というか、まあ心動かされるよな。納得」
「え、何の話？」
「何故、角名君は宮ツインズの次か三番目か云々にモテるのかって話」
「次か三番目かとかって強調しないでくれる？ ……別にモテたいわけじゃないけど」
「ごめん」
角名君は少し不機嫌そうに私を見てから「なりふり構わず笑顔とか見せないし」と呟いた。
「それはつまり表情筋を動かさないことで歳をとっても顔面偏差値を高く保てるってこと？」
「ごめん本当にAの話についていけない」
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昆布の神(プロフ) - ルナさん» 修正致しました。ご指摘ありがとうございました。 (2021年11月17日 15時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - あの、37話の星裁のお母さんが「まあ、神社みたいな感じかな」と言っている場面があるんですけど、”感じ„が“漢字„になっていましたよ！ (2021年11月17日 0時) (レス) @page39 id: d2a92b36ce (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありですー！ 角名君いいよね……最高すぎる……。 (2021年3月31日 21時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - もう神作よ…角名くんの言動が何もかも尊く見えるんだが…… (2021年3月31日 21時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 星猫さん» コメありです！ 合作！？ 是非ともお受けしたいです！ お誘いありがとうございます！ (2021年3月21日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年3月8日 23時
