あの日、見た星に願いを。【オリジナル】 (ページ15)

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XIII ページ15

光輝が死ぬまで、あと二日になろうとしている。
こうも早く時が過ぎているのは、三日前の朝から光輝に避けられているから。

私、なんかしたっけ……？

頭の中で、これまでの行動を振り返るが、これといって特に見当たらない。

いつも、こういう時は田中に相談していたりするのだが、『五日間話しかけるな』と自ら言っておいて話しかけるのも気が引ける。

早く伝えないと……光輝が死んでしまう。
そもそも、どうして光輝は死ぬのか？
光輝の様子を見たり、尾行したりしたけど、大してイジメを受けているような様子でもなかった。

幼馴染なのに、何も分からない。わかってあげられない。そんな自分がつくづく嫌になる。

「A！」

耳元で声がしてハッと我に返る。
振り向くと莉奈がいた。
……そうだ。莉奈とは中学の頃から一緒だった。
そこに萌花が加わって今の三人になったんだ。

「っなに？」

「次、体育だよ！早く行こう」

「あ、そっか……」

四時間目に体育。きついな。外も寒いし。

「はぁ～」

「そんなため息つかないでよ～。私もやりたくないよ～体育なんて」

「それにあの先生、無駄に熱血で暑苦しいし……。
ランニングも、めっちゃさせられるしさ、ほんとやだ」

「その代わり、暖房の代わりにはなるけどね～」

「それは言えてる」

莉奈と笑いながら校庭に行く。
こうして笑ったのは久しぶりかもしれない。
……そういえば、光輝が死んでから、高校に入ってから、まともに笑っていなかった。

後悔が、苦しみが、悲しみが、いつまでも私を支配して離さない。

……いつだって同じだったんだ。
私が、楽しいと、笑っていられる瞬間は────

「ランニング五週追加！！走れば体が温まるぞ！」

「げえ。温まる以前に過労死するんだけど」

相変わらずの熱血体育教師。
いい加減にしてくれ。ハゲのくせにどうして、寒そうにしてないんだ。

「疲れたよ～。休みたいよ～……」

教師に聞こえないように莉奈が呟く。

「ね～疲れ、た……」

相槌を打とうとすると、後ろの方で誰かが倒れるような音が聞こえた。
それは、

「……光輝？」