人魚姫 VII ページ8
「碧晴はよく此処に来たりするの？」
首を傾げてAが碧晴に問う。
その仕草はとても子供っぽく、寂しそうに思えるような悲しいものだった。
「……今日、寄り道してみただけ」
「そうなんだ〜。じゃあさ！」
Aは身を乗り出し、背伸びをして碧晴に顔を近づけた。
幼いとはいえ、綺麗な顔が目の前に来る。そんなことをやられるのが初めてな碧晴は恥ずかしさからか、少し頬を染めた。
「これから毎日、夜になったら此処に来て！
夜だったらいつでも良いよ！」
パァッと屈託のない笑顔でAが言った。
「……は？」
「私、君のこともっと知りたいからさー
ね？お話しようよ！」
(いや、ちょっと待て)
何故、こんなにもいつの間に話が進んでいるのだろう。
何故、Aの激しい波のペースに呑み込まれているのだろう。
というか、これは拒否権が無いやつでは─────。
しかし、
「……わかった」
碧晴がそう答えるとAは「やったー！」とその場で軽く跳ねた。
どうして碧晴が断らなかったのか。
決まっている。蓮と同じなのだ。
圧倒的な月の光の前に断れなかった。
やはり自分はどんな光にも勝てないのだ───。
「待ってるね！」
自分が憂鬱な気分であることに、きっと彼女は気付いていない。
彼女は、自分とは住んでいる、見ている
「"晴れ"……か」
Aはポツリと呟いたが、その声は海に響く波の音に全てかき消されてしまった。
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鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - すごい…！！私の好きな綺麗な世界観…！更新お疲れ様でした！ (2020年6月14日 23時) (
レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
昆布(プロフ) - 日向鬼@低浮上さん» ありがとうございます。「綺麗」と言ってもらえて嬉しいです〜！ (2020年6月6日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@低浮上(プロフ) - もう凄いわ僕((本当に題名で当てられるようになった…待ってました！(ドンドンパフパフ)昆布さんのお話は綺麗でなんかお話し読んでて楽しい(？)から大好き！頑張って！ (2020年6月6日 20時) (レス) id: 98b52071c9 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» ありがとうございます。ちょっといろいろと勉強しました〜 (2020年6月6日 19時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - 夢主の画力が良すぎィ↑私には到底辿り着けないような境地だぁ！そして文章力も圧倒的に上がってきている！羨まし！ (2020年6月6日 19時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon723/
作成日時：2020年6月6日 18時
