人魚姫 XI ページ13
「……」
夜明けを待つことにしたが、話題が何も見つからず碧晴もAも互いに黙ったまま。
碧晴が無口なのはともかく、Aがこんなにも静かなのは初めてだった。
会話していても碧晴が口を挟む隙も無いほどAは普段、おしゃべりなのだ。
けれど今、聞こえてくるのは海のおしゃべりだけ。
波打つ鼓動しか聞こえない。
するとポツリ、と碧晴の頭に何か冷たいものが落ちてきた。
ここでAが「あ……」と初めて声を漏らす。
なのに、Aが声を漏らしたのと同時に降ってきたのは大粒の雨だった。
このまま雨に打たれては、どちらも風邪をひいてしまう。
(何処か、屋根になるようなところは ────……)
碧晴が頭を捻って考えていると、Aが軽い力で碧晴の手をひいた。
「こっち」
Aは慣れた足取りで、あいている手で雨を少し防ぎながら小走りでその場所へ向かった。
〜♪♪♪〜
ついたのは、海辺の近くの洞穴。
A曰く、「ここが一番、雨が防げる」から此処に来たらしい。
「夜明けまでに降り止むと良いんだけどなぁ……」
Aがボソリと呟いた。
夜明け。太陽が見える時。
何故、彼女は"夜明け"にこだわるのだろう。
聞いてはいけないのかもしれない。
だが、碧晴は思ったことは口に出してしまう性格なのだ。
「Aはどうして夜明けにこだわるんだ？」
それを聞いたAは、真顔の表情を碧晴に向けた。
(やってしまった)
やはり聞いてはいけないことだったのだろう。
Aの、隠したいことだった。
碧晴は自分に嫌気が差して、Aから目を逸らした。
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鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - すごい…！！私の好きな綺麗な世界観…！更新お疲れ様でした！ (2020年6月14日 23時) (
レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
昆布(プロフ) - 日向鬼@低浮上さん» ありがとうございます。「綺麗」と言ってもらえて嬉しいです〜！ (2020年6月6日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@低浮上(プロフ) - もう凄いわ僕((本当に題名で当てられるようになった…待ってました！(ドンドンパフパフ)昆布さんのお話は綺麗でなんかお話し読んでて楽しい(？)から大好き！頑張って！ (2020年6月6日 20時) (レス) id: 98b52071c9 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - テイル@パピコ同盟さん» ありがとうございます。ちょっといろいろと勉強しました〜 (2020年6月6日 19時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
テイル@パピコ同盟(プロフ) - 夢主の画力が良すぎィ↑私には到底辿り着けないような境地だぁ！そして文章力も圧倒的に上がってきている！羨まし！ (2020年6月6日 19時) (レス) id: a6ac34b766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon723/
作成日時：2020年6月6日 18時
