君を再び俺のものに【童磨】

君を連れ戻すまで　１０ ページ12

【血鬼術 凍て雲】


これを吸ったらいけない。


何故かそれがわかった。


童「うーん吸わないねえ、やっぱり記憶の中に少しはあるんじゃないかな？俺が」



貴「無いって言ってるでしょ！？」


［氷の呼吸 弐ノ型 樹氷華］


童「似てるねえ俺の血鬼術と。
やっぱり何度生まれ変わってもAはAだねえ」


うるさい。


私が鬼の恋仲だったわけない。


しかも上弦の弐。



コイツと前世に関わりがあったらもうしのぶとは…



童「じゃあこれ見ても何も知らないって言えるかな？」


【血鬼術 蓮葉氷】



蓮…









『童磨の血鬼術って綺麗だね』



『これで髪飾り作ってあげようか？』



『いいの？』



『Aなら良いよ』



『もう童磨大好き！』









違う



こんなやりとりしたことない




誰？




コイツなの？


童磨とこんなやりとりしたことない



今日初めて会った。







私は誰？




【冬ざれ氷柱】




貴「…！！」





間一髪で避ける。



貴「ゔっ…！！」





童「うーん、速いねえ。

鬼だった時も下弦程度の力はあったしねえ。
結構な数の鬼狩り殺してたし。

今世は柱だし黒死牟殿みたいに強くなりそうだね」



貴「うるさいっ…！！」


もう話さないで


聞きたくない



前世が鬼だなんて



そんな筈ない




童「ああ…そろそろ夜明けだなあ…連れ帰るのは今日は無理そう…」



そう言うとフッと童磨が消えた。


どこにっ…


するといきなり腕を掴まれた。


貴「何をっ…

い゛っ…！？」



噛まれた。



右手首




童「次は必ず連れ戻すよ」




そう言って童磨は消えた。





噛まれた手首から血が流れる。




嫌いなのに懐かしみを感じてしまう。



安心感を感じてしまう。




そんな自分にムカつく。





ごめん、しのぶ……

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