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orchid 126 ページ9

気づけば真っ暗な闇の中にいた。






適当にまっすぐ歩いてたら彼岸花がたくさん咲いた川のような所に出てきた。



向こうからやってくる船が見える。





これが三途の川っていうのかなあ





私は草履を脱いで川の浅い所に足を入れた。



川の水は暖かった。

人の温もりに包み込まれているように。



人の涙から出来たものなのかな、三途の川って。





いつのまにか船が目の前まで来ていた。




ああやっぱり私死んだんだ。




船に手を伸ばす。






「待ちなさい」



後ろから優しい、それでいて芯の通った声が聞こえた。




後ろを振り返ると最愛の師匠がいた。




貴「カナエ…さん…?」



カナエ「乗るつもりなの?船に」



貴「……。だって私…死んで…」



カナエ「Aは生きたいと思わないの?」



貴「死んでるんだから生きたいも何も…」



カナエ「死んだか死んでないかじゃない。


生きたいかどうか聞いてるの」



生きたいかどうか…



そんなの決まってる。









貴「……生きたいですよ。

生きたかった。あの人と…」



カナエ「想い人とまだ一緒にいたかったんでしょう?」



カナエさんの質問に頷く。




カナエ「なら行きなさい。生きなさい」





カナエ「生きて幸せになりたいのなら戻りなさい。

皆んな待ってる。Aのことを」



貴「…私生きてるんですか…?」



カナエ「わからない。

Aの気持ち次第で全て決まる。


生きるか死ぬか。


その境界線にいる。



時間が経てば経つほど生還率が低くなる。




もう行きなさい。来た道を戻りなさい」









カナエ「“好きな人”の所に戻りなさい」




好きな人…





私は…







貴「はい…!!」




私は走って戻った。





大好きな




あの人にもう一度会うために!!









カナエ「…A。言ってなかったけどね…」



カナエ「あの技は自分の想いが一番必要なのよ。

貴方に好きな人が出来て、その人と一緒だったから…

生きたいという気持ちを強くしたなら…

生き延びることが可能になる…」






カナエ「…幸せになってね。


皆んなの幸せが私の幸せ。




願い、だから…」





最愛の弟子の背中を穏やかな笑顔で見守っていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 胡蝶カナエ   
作品ジャンル:恋愛
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あおまゆ* - もう…!好き!すごいこういう小説好き!みーんな幸せになれる!こんな小説を書いてくれてありがとう! (2020年8月11日 10時) (レス) id: 300f5d055d (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああぁぁぁあああぁぁぁ......!!!!皆いぎでるぅ!!!!!!!!幸せすぎて泣いた(笑) (2020年7月20日 16時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - ちゃんとみんな生きてるし、、、ちゃんと無一郎くんと幸せになれた、、、最高でした!!!!!! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!この小説は「幸せ」に重点を置いたので……そう思ってもらえて嬉しいです! (2020年4月23日 12時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
- 最後めっちゃ幸せで泣いた... (2020年4月23日 12時) (レス) id: 656f6aada7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2020年3月11日 21時

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