師範の願い【時透無一郎】参

orchid １１４ ページ38

玄弥side


炭『一番弱い人が一番可能性を持ってるんだよ。玄弥』




炭『俺が上弦の陸と戦った時そうだったんだ。

俺が弱かったからこそ状況を変えられた。

敵がこちらを警戒できる数は決まってるんだよ』



炭『弱いと思われてる人間であれば警戒心が薄いんだよ。

だからその弱い人が予想外の動きで壁を打ち破られたら

一気に風向きが変わる。

勝利への活路が開く』





やる



やるしかねえ





次斬られた時に喰うって考えたたけどそんな弱腰じゃ駄目だ。



俺は上弦の折れた刃先を取り出した。




攻めの姿勢を崩すな。




俺が刀を飲み込もうとすると胡蝶さんに話しかけられた。


し「玄弥君、作戦があるんです。よく聞いてください」


玄「作戦…？」



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夢主side


［花の呼吸…］

【月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月】



拾陸ノ型…！？


どれだけの数の技持ってんのコイツ…！！


それよりアイツさっき私の攻撃を先読みした…？


呼吸を出そうとしたのに遮られた。




何かある。



本能的にそれを感知した。



悲鳴嶼さんも気づいてるんだろう。



上弦の壱が私たちと違うことに。




何が違う？




悲『鬼にできることは人間にもできる』




柱になったばかりの頃、柱の中でも最強の悲鳴嶼さんに稽古をつけてもらった時に言われた言葉。



鬼にできること



人間




こういう時どうする？


誰か…





カ『相手の動きを細かい部分までよく見ると次仕掛けてくることがわかったり…』




カナヲ…



『細かい部分までよく見る』…





よく見て


観察して



何か


何か違うところを




見つけるの




見つければ



必ずできる きっと






目が血走るくらい上弦の壱を見つめていたら上弦の肉体が垣間見えた。



一瞬だけだったけど確かに見えた


今のは……





すると上弦の壱の後ろから走ってくるしのぶの姿が見えた。



毒で弱らせて動きを鈍らせようとしてくれてるんだ。




童磨も一回目に毒を喰らった時は分解にそれなりの時間をかけた。




それなら…




悲鳴嶼さん達もしのぶの意図を汲み取ったのだろう、動きを合わせた。

なんか無限城行ってから面白味が薄れている気がする作者の話(ネタバレ注意)→←orchid １１３

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