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体育館の電気はスイッチが多くて付けるのが面倒くさいので、スマホのライトを付けて、その明かりを頼りに部日誌を探す。
「つーか部日誌って何？ 初めて聞いたんだけど」
「個人的につけてたんです。中学からやってたので、なんかそれやらないと気持ち悪くて……」
「何書いてんの？」
「え？ ……えっと……。……いろいろです。あのほんと、大したことは書いてません。個人的な日記みたいな……」
言うのは何だか恥ずかしく思えたので、私はわざと濁した。この三年間、誰にも言わずに隠してきたので、今更誰かに打ち明けたりできなくなってしまった。完全にタイミングを逃した。
「ていうか、本当に白布さん帰っていただいていいですよ。あと私やるので」
「いいって言ってんじゃん」
「いや私も言ってますし……」
「着替えてもねえくせに何言ってんだよ」
「……早着替えが特技なんで、だいじょうぶデスヨ……」
適当なことを言っていると、スマホのライトに照らされたノートが見えた。それを拾い上げてノートの表紙を見ると、それは紛うことなき私の部日誌だった。
「見つかりました。すみません、時間食っちゃって」
「それはいいけど……」
白布さんは私の顔をじっと見た。
……私、顔に何かついてる？ 顔をぺたぺた触っていると、白布さんが体育館を出ようと背を向けた。
「アホらし」
「アッ……！？」
何故いきなり暴言吐くの＿＿＿。
「……」
彼の後ろ姿を見て、私は意を決して口を開いた。
「白布さん、何か私に黙ってることありますか？」
そう言うと、白布さんが立ち止まって顔だけ振り向いた。
春高予選が終わってから、彼の方から話しかけてくれることが増えた。それは嬉しいけど、どこか不自然にも思えて、奇妙で。
「黙ってるっていうか……なにか、私に言いたいこと、みたいな。あるのかなって……」
「……」
暗くなって、気温も寒くなってきたのに何故か手汗をかいていた。その手汗をごまかすように、私はジャージの裾を強く握る。
白布さんは天を仰ぐと、「……べつに」と口を開いた。
「言いたいことはない」
気まずさからスマホの真っ暗な画面を見ると、白布さんは「けど」と続けた。
「気になっただけ。お前いっつも大丈夫大丈夫って言うけど、大丈夫なときなんてなかったから。誰にも何も言わずに自分で整理つけた気になって、勝手に一人で自爆してる。だから、今回は本当に大丈夫なのか気になった」
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
