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川西 side
ギャラリーから一年生のバレーの試合を一人で見ていると、「アイツ大分上手くなったじゃん」と声が聞こえてきた。
「賢二郎が教えたんじゃん」
「教えてたのほとんど五色だろ」
賢二郎がポケットに手を突っ込んだまま俺の隣に立った。
「牛島さんと話してこなくて良かったの？」
「もう話してきた」
「あ、そう……」
牛島さんと話していたら瀬見さんと鉢合わせて、瀬見さんに無下な態度をとるところまで予想がついた。
瀬見さんの器が広くなければ、お前とっくに愛想尽かされてたよ。
まあ、あの態度も実は瀬見さんを信頼しているからこそなのかもしれないけど。
「三年の試合のとき、どこいたの？」
「クラスの奴らといた」
「ふーん」
「お前は？」
「Aちゃんと会ったから、一緒に見てた。ポニーテールカワイかった」
「そりゃよかったな」
普段は下ろしているけど、たまに結ぶと雰囲気が変わる。
まあ話すと中身はやっぱりAちゃんなんだけど。
「……寂しいってさ」
「何がだよ」
「三年生が引退してから、俺らが来年引退するときのこと考えるんだって。だから最近寂しいんだって」
賢二郎は何も言わなかった。
その代わりに俺をじっと見つめる。最後まで話を聞いてから口を開くつもりらしい。
「かわいい子だなーとは思ってたけど、なんであそこまでみんなから愛されてるのかよくわからなかった。コミュニケーションも苦手だし」
天童さんや瀬見さんの可愛がり方は特に顕著だ。
元々面倒見がいい人達ではあったけど、まるで妹を撫で回しているような目をして、でもAちゃんが少しずつ成長していこうとしているのは遠目に見守っている。
オイカワもAちゃんと再会した時は、珍しく超必死な顔で青城においで！ なんて。有象無象の女子に囲まれた時は余裕かましてチャラチャラしているくせに。
「素直なんだよね。素直で、自分がしてもらったことはずっと覚えてる。だからAちゃんは誰も彼もに情を持って、板挟みになって抜け出せなくなる。素直なところは、先輩にしてみればめちゃくちゃ可愛いんだろうけどさ」
飽き性のわりに妥協ができない性格。矛盾しているように見えるが、やめる時がスッパリしているだけでそれまでは全力疾走。
Aちゃんと話していて可愛いと感じたそれは、赤ちゃんを愛でているような、そんな感覚に近い気もする。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
