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「ボールはなるべく低く上げて、全体的に脱力。なるべく前に押し出すイメージで」
「ほ、ほう……」
すると、Aが「あの……」と気まずそうに俺を見た。
「……低くって、どれくらい？」
「えっ」
＊
白布 side
自販機のボタンを押すと、ペットボトルが落ちてきた。隣で太一があくびをしたのが見える。こいつ、最近ずっとこんな感じだけど、球技大会が終わったらすぐ期末テストがあるのわかってんのか？
「あ、体育館開いてる」
あくび混じりの声で太一が言った。
二週間後に球技大会があるから、今から気合いが入っている誰かが練習してるだけだろうと思って目もくれずペットボトルを開けようとすると、太一が「五色とAちゃんだ」と言ったので、自然と視線が体育館に向いた。
見ると、五色が葉山の前でアンダーサーブを打っているのが見えた。……そういえば、葉山ってあんまり運動は得意じゃなかったな。
大分飛距離のあるアンダーサーブを見て、葉山が口を開けて小さく拍手した。
……もしかしてアイツ、アンダーサーブさえ壊滅的なのか……。
まあ、飽くまでもマネージャー。スポーツはやるより見る方が好きという人も、少なくはない。
「五色ってさあ、二、三年が相手だと(牛島さん以外には)従順な犬みたいな感じなのに、
「背伸びしてるんだろ。チョロいし。ガキだし」
「ひとつしか変わんないじゃん」
葉山が五色からボールを投げ渡されて、アンダーサーブをやろうとしている。五色がまた何かアドバイスしているようで、葉山は運動に対する苦手意識からなのか全体的にもたもたした動きでボールを構えた。
ただ一人のマネージャー。ただ一人の一年スタメン。
同じクラスだからってのもあるだろうけど、お互いの立場に、無意識にシンパシーを感じているところもあるのかもしれない。
葉山がボールをトスして右手を振り上げた……が、空振ってボールが無残にも床に落ちる。しばらく二人の間に気まずい空気が流れ、その後葉山がその場に崩れ落ちたのが見えた。相手より優位な立場に立つと調子に乗りがちな五色が、それを見て調子に乗るどころか動揺して励ましている。
五色は春高予選のとき、葉山と一番仲がいいのは俺だとかほざいていたが、それはあながち嘘ではないのかもしれない。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
