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第一セットは全体的に白鳥沢が優勢だった。
烏野にしてみれば、初めてのセンターコートという緊張感に加えて牛島さんのただ強いだけではない__左手の驚異に翻弄された感じ。
守備の要であるリベロが牛島さんに対応するまで時間がかかったことが仇となったか。
第一セットは安定感のある白鳥沢が獲った。
点数は16(烏野)−25(白鳥沢)。
(……でも)
二セット目に備える烏野の中から、ひとり色の違うユニフォームを着た彼に目をやった。
あのリベロ、想定よりも早く牛島さんの
思ったよりも落ち着いた表情でミーティングしている烏野。その中には影山もいる。
「……」
*
影山 side
第二セットが始まった。
第二セットの一点目は、烏野のシンクロ攻撃だった。
ふと白鳥沢の方を見ると、大して劣勢というわけでもないくせに葉山だけが眉間に皺を寄せてどこか嫌そうな顔をしている。
「ウシワカ、ギャフンと言わしたらァ!!」
ローテが回って日向が入ってきた。
攻撃の余裕も出てきたし、そろそろ日向を使って点を稼ぎたいところだ。
「日向はウシワカと何かあったの?」
「何か一悶着あったらしいです……」
「!? 知らんトコで他校と何かある奴だな〜!」
烏野側のサーブはチャンスボールとなって返球された。
日向に上げられる。
丁寧にボールに指を添え、またボールを宙に放った。速いトスに対応する速いスパイカー。いつも通り。
しかし、そのスパイクから放たれたはずのボールは烏野のコートに落ちていた。……ドシャット。
「若利くんを倒したければ」
向こうのコートから、眉を顰めたくなる嫌な声。
振り返ると、事前にコーチから忠告されていたあのブロッカーがいた。
「俺を倒してから行け〜。……ってな」
ゲスブロックの使い手、通称“ゲス・モンスター”。
その妖怪は、性格の悪そうな笑みを浮かべて、腰を曲げてまた口を開いた。
試合前の葉山の、どこか他人行儀で、悔しそうな表情。
しかしどれも憶測に過ぎないもの。ただ、ひとつ確実だと言えるほどに感じられたのは___。
「好き勝手やらせたら、うちの可愛いお嬢がフキゲンになっちゃうからね」
俺に対する、明確な敵意。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです! 頑張りますね!💪 (3月25日 8時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます!! これからも楽しみにしてます!! (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです! そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね! (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです! 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます! (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2024年3月9日 14時