北一出身の白鳥沢マネージャー【3rd season】【ハイキュー】 (ページ6)

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A side

瀬見さんに交替してから、大分白鳥沢の調子が戻ってきた。だけど監督は、まだセッターを戻すつもりはないらしい。

「八番！来るぞ！」

白鳥沢に流れが寄せられてから、瀬見さんは牛島さん以外のスパイカーも積極的に使うようになってきた。
白鳥沢には牛島さんだけではないという事実は、相手にとって大きな脅威になるから。

工くんのスパイクは拾われたが、確実に乱している。

問題は、宮侑が次に使うのは誰なのか───。

しかし、そんな問題は重要ではなかった。
だって、宮侑は誰も使わなかったから。

「クソがっ……！」

アザラシも虚しく、ツーアタックで返ってきたボールは白鳥沢のコートに落ちた。次の瞬間、ただでさえ騒がしいほどに活気的な稲荷崎の応援がさらに過激化した。

「……ちょ〜っと、これはさとれナイ……」

天童さんがその言葉が、それ以降の展開を予言していたのか、宮侑のツーアタックを皮切りに稲荷崎がノリだしたかのようにブレイクを決めた。白鳥沢はすかさずタイムアウト。

あの応援も厄介だもの。どこの学校も応援は気合が入っているけど、稲荷崎の応援は他と比べても段違い。向こう側からのプレッシャーがビシビシと伝わってくる。

監督が選手達にありがたいお言葉を投げかけている横で、私はチラリと白布さんを見た。

＊

瀬見 side

「ウーン……梟谷戦の終盤はめちゃくちゃ勘が冴えてたんだけどな〜」

天童が腰に手を当てて、グッと背伸びをしながら言った。

ツーアタックにブレイク。稲荷崎の応援。白鳥沢を支配するには十分な空気感だった。年下だけど、さすがは高校ナンバーワンセッターと言わざるを得ない。

「白布さん」

Aが白布に話しかけているのが聞こえ、そっちを見るとAがいつもと変わらぬ真顔で白布を見上げていた。

目に見えて調子を悪くした白布が少し心配だが、もしかしてマネージャーが何か気の使ったことを言ってくれるのではないかと期待した。

が、しかし。

「白布さんってもしかして宮侑のことがお嫌いで？」

ストレートに聞くな＿＿＿＿。

容赦も遠慮もない物言いに、俺は思わず頭を抱えた。

いや、そうだろうなとは思っていたが、それ今聞くのか？
白布は図太いように見えるけどちょっとだけ繊細なんだって！ ……あ？なんかもしかして宮侑に似てる……！？

混乱していると、白布が眉間に皺を寄せて苦い顔をしたのを見て、Aが爆弾発言を投下した。