北一出身の白鳥沢マネージャー【3rd season】【ハイキュー】 (ページ46)

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とりあえず何が言いたいかというと、ヤバい。

俺達は参加しないが、春高一次予選はもうすぐ始まる。……あれ、もう始まってるっけ？

代表決定戦は十月だが、一ヶ月半というのは口で言うほど長くない。
その期間、Aちゃんがやっていたことを補わなければ、練習自体ももたつく可能性がある。

これが去年なら何てことなかったが、マネージャーが入ったことに甘んじて一年に教えた仕事はほんの一部。
じゃあ二年生と三年生は、と言われると、主力メンバーが多くあまり人員は割(さ)けない。

(つまり……)

(これって……)

(詰み＿＿＿＿？)

＊

「緊急会議！！これからどうする！？」

およそ一週間ぶりに天童さんがホワイトボードを叩いた。
しかし、今までのお気楽な雰囲気はなく、本当に切羽詰まった感じだ。本当におふざけとかではなく、ヤバい。

Aちゃんの両脇は瀬見さんと大平さんのママ'sが固めていて、未だに肩を震わせる彼女の涙を今も尚拭き続けているのである。

今日でAちゃんの涙袋消えるんじゃないの……。

「とりあえず葉山がいつもやってること挙げたほうがいいですよ」

「ナイス賢二郎。確かにそうだわ。えーっと、まず何だ？」

「ドリンクと、ビブスも洗濯カゴ両手で持てないから運べないだろ？」

「あと記録……は」

山形さんがAちゃんを見た。彼女が骨折したのは、……なんと、右。Aちゃんも九割のうちの一人、右利きである。

「……無理だな」

「洗濯も」

「買い出し」

「Aちゃん、他なにかやってることある？」

天童さんがAちゃんに聞くと、Aちゃんは丁度大平さんから目の涙を拭かれていた。ティッシュを離されて目を開けると、めちゃくちゃ赤くなっているし瞳が濡れている。

「……部室の掃除と、用具の準備と片付けと、救急箱の管理と、テーピングと……」

それから、Aちゃんはしばらく黙って、何か言おうとしていたが、結局「それくらいです」と言った。

「えーと？ちょっと待ってね」

・ドリンク
・ビブスやユニフォームの洗濯
・買い出し
・時間計測、スコア等の記録
・スコア(めくる方)
・部室の掃除
・用具の準備、片付け
・救急箱の管理
・テーピングや怪我の応急処置

多っ＿＿＿＿。
文字に起こしてみると、余計に多く感じる。

いつもありがとうございました……。