北一出身の白鳥沢マネージャー【3rd season】【ハイキュー】 (ページ4)

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川西 side

うーん。ちょっと、なあ。

セッターのところへ返っていくボールを見て、これからどうするかを素早く考えた。普段だったら、囮として入っていくんだけど、でもコレ、明らかに賢二郎は調子落としてるよな。

べつに囮として入ってもいいけど、これを牛島さんが打って、止められるか拾われるかして稲荷崎に点が入ったら、絶対に奴らはノリだす。普通にそっちの方が面倒くさいな。

今はリベロ(山形さん)いないけど、天童さんがいるからブロックには余裕あるし。

タイミングを合わせて床を蹴った。

……まあ、乱される気持ちもわからんでもないけど。
去年からずっと稲荷崎に苦手意識あったしな。
稲荷崎っていうか、宮侑か。

去年、春高で白鳥沢は準決勝で稲荷崎とあたって、敗けた。
自分とは正反対のポリシーを持ったセッター。それでいて、今の自分達より確実に上の場所にいる。

でも俺達はいわゆる強豪校と呼ばれる場所にいるわけで、責任(・・)からは絶対に逃れられない。

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A side

牛島さんの打率が悪いな、と感じた。
牛島さんの調子は悪くなさそうだが、ブロックは逃れても拾われるのが当たり前になっている。

「英太」

監督が瀬見さんに目を向けた。瀬見さんも今のコート内を見て、監督の言いたいことがわかったらしく、頷いて軽く体を動かし始めた。

ピンチサーバーだけで終わらすつもりじゃないな。
しばらくセッターを交替する心づもりらしい。

監督が白布さんを正セッターに起用しているのは、白鳥沢が求めるプレーと非常に相性が良かったから、らしい。
白布さんは白布さんでわりと曲者で、自分の技量を見せつけたいというよりかは『うちのエースを見ろ』と言いたいタイプの人。

何も言わないけど、彼もまた牛島さんに憧れた一人だろう。

瀬見さんはセッターとしての実力は申し分なし。
ただ、瀬見さんと白鳥沢の相性はどうにも噛み合わないらしい。瀬見さんも意外と頑固というか、意思が固いので『自分の力で点を取る』という欲求を抑える選択を取らなかったため控えに留まっている。

監督が求める白鳥沢のセッター像は白布さん。
にも関わらず交替させるのは、白布さんが珍しく目に見えて調子が悪いことと、稲荷崎をノらせる前に瀬見さんに交替することで、先程の梟谷戦のような展開を防ぐためだろう。

魔の三日目。できることならストレートで勝ちたいのが、本音だ。