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「金田一登れ! さぁ!」

「いやこれ以上高くしてどうするんスか!? 氷の女王の城でもつくる気ですか!?」



青城の3番が、かつて葉山と同じチームにいたのっぽの一年にハシゴに登れと催促する。
もう十分な高さだと思うのだが、奴らは飽き足らずまだ高くしたいらしい。

すると及川が青城の3番と共にハシゴを支えた。



「行け金田一! 俺達が連れていってやるから!」

「トス上げるときみたいに言わないでください!」



金田一が焦った顔でチラリと見た先には、葉山と五色、そしてもう一人の葉山の同期(葉山曰く名前は“国見”)がいた。



「金田一がんばって」

「がんばれのっぽ!」

「らっきょファイトー」

「らっきょは余計だっつの!! ……ったく……」



一年ズから説得(?)され、ようやくハシゴを登った金田一。

五色が間にいるとはいえ、葉山と国見と金田一(あいつら)あんなふうに話せるのに、どうしていっつも会う度に最初は気まずそうな顔してんだ……。

影山のことがあるとはいえ、それはそれ、これはこれとして三人は堂々と仲良くすればいいのにと思ったが、どうやらそういう単純な話でもないらしい。



「……」

「お? なになに賢二郎。Aちゃんにラブじゃないって言われたのやっぱり気にして」

「ません」



復活した天童さんからのイジりをぶった切る。
葉山に少しの不満を覚えた。気になっていることはいろいろあるが、きっと聞いても話してくれない。曖昧なことを言って躱すだけだ。








「オイこっち手伝え!」

「城壁に模様描こうぜ!」

「できあがったら、最後てっぺんにスコップ刺そう! ポケモンのシロデスナみたいに!」



大きなものをみんなでつくっているという文化祭のような感覚に通ずるものがあったのか、メシ目的だったはずが、いつの間にかみんなヒートアップして超必死になっている。

巨大な城をつくっているオッサン達&DK(男子高校生)JK(女子高校生)の奇妙な光景は好奇の目を誘い、いつの間にか群衆がこちらを見ている。地味に恥ずいのだが、コイツらには羞恥心とかないのだろうか。



「砂のおしろだー!」

「すごいわね〜」



そんな微笑ましいやりとりをしている親子もいれば、面白がってスマホで撮影している若者もいる。肖像権は守ってくれるんだろうな?





_______

Simejiで“らっきょ”って打ったら“金田一勇太郎”って出てくるのウケる。

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2024年1月12日 2時

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