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「……い、
希望的観測のもと、簡単な英単語を並べていくと、この程度ならば理解できたようで「OK.」と言われた。いや、だからってここからどうしろという話だ。
考えて、ハッとポケットからメモ帳とペンを取り出した。昔からメモ癖があり、メモ帳やノートを持ち歩いていないと落ち着かない性分だった。ありがとう、私の性分。
「
“Paint”で何となく伝わったようで、男性が私からメモ帳とペンを受け取りサラサラと書き始めた。
書き終わったようでそれを受け取ると、その絵はぐちゃぐちゃすぎて何もわからなかった。
(
本格的にどうしようもなくなってオロオロしていると、背後から誰か来て自分に影ができた。
「
振り返ると、なんとそこには我らが大エース牛島さんがいた。あわあわと混乱の目を向けると、牛島さんは“任せろ”とでも言うように私を見た。
ていうか何語喋ってんの……。薄ら英語みたいにも聞こえるけど……。
「
「
「
終始何を言っているのかサッパリわからなかったが、牛島さんがバス停のほうを指さすと、カップルは「Oh!」と声を上げて、「アリガトウー」と言いながら去っていった。
「う、牛島さんすみません。ありがとうございました」
「気にするな。授業でフランス語を選択していただけだ」
「あれフランス語だったんですか……」
白鳥沢学園では二年生になると英語ともうひとつ、第二外国語として中国語、フランス語、ドイツ語からひとつ選択して授業を受けることになる。
私ドイツ語がいいな。
「葉山エラいなー。人助けしてたのか？」
みんなが集合しているところに行くと、山形さんがグッと親指を立ててくれた。
「いえ、でも何話してるかわかんなかったですし……牛島さんが来てくれなかったらどうなっていたことか……」
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年1月12日 2時
