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そろそろふざけたい欲が……。
＿＿＿＿＿＿＿＿
白鳥沢の集合場所に戻っていると、前から歩いてくる顔に既視感を覚えた。……あの顔にあのジャージ、確か梟谷の
特に意味は無いけれど、見知った顔というのは視線を送ってしまうもの。思わずガン見していると、あちらも私に気づいたようだった。慌てて会釈すると、赤葦さんから「葉山さんだよね？」と声をかけてきた。
「あっ、ハイ。えと、名前……」
「ごめんね、いきなり。でも聞いたことあったからさ。
＿＿＿影山から」
思わぬ人から、思わぬ名前。
面識があるわけのない人から出てきた“影山”という人物に硬直していると、赤葦さんは「梟谷学園グループって聞いたことある？」と私に訊ねた。
「……お、御校から輩出された財閥のお名前ですか？」
「うん違う」
学校同士のヨコの繋がりについては全くの無知である私の勘は見事に外れた。私は恥ずかしくなって赤葦さんから目を逸らした。
「毎年インターハイの前後にやってる合宿があるんだけど、そこに集まる関東の学校のことね。今年も合宿があったんだけど、今回は東北の学校も参加したんだよ。“烏野”ってところ」
烏野高校。宮城県の高校男子バレーボールの古豪で、現在影山が在籍する学校だ。
関東の猛者達と、東北の古豪 烏野高校が合同で合宿……。
「……あ、え？ ……ええ……」
驚きと、若干の羨ましさが混ざって、私は頭の整理が追いつかずに唸るように困惑の声を上げた。
いや、そんなことよりもだ。
「あ、か、影山が、私のこと話してたんですか」
「話してたっていうか、まあいろいろ話してて、こんな奴がいたんですよって。今日の三回戦で、たぶん白鳥沢のマネージャーのことだなってわかった」
「ドンピシャだったね」と赤葦さんが言う。
この勘の良さ、天童さんの血でも引いているんじゃないか。……いや、この人の場合は勘とかじゃなくて、察する能力や地頭が良いだけか……。
「なんで、わかったんですか」
「似てたから。……影山と、似た
「どんな
「大丈夫なフリして、余裕ないのを隠してるとことか？」
影山と一体何を話したのか、そしてその少しであろう会話の中で影山の何を見抜いたのか。
セッターとしての洞察力なのか、それとも人としての観察眼あってのものなのか。
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年1月12日 2時
