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「流れを制すれば、こっちのモンだ」
白鳥沢で一番の武器はなにか？
そう聞かれたら、きっと私は迷いなく『パワー』だと答える。
監督がシンプルな強さを求めていることもあり、うちには半端なスパイカーなんていない。
それに、調子の振れ幅が激しいボクトコウタロウがエースのあそこは、空気感そのものを白鳥沢のものにしてしまえば、勝手に崩れてくれる可能性すらある。まあ、それはなったらラッキー程度だけど。
すると、審判のところに行っていた牛島さんが監督のところに戻ってきた。
「先、レシーブです」
どうやら一セット目のサーブ権は梟谷に渡ったらしい。
私は運動が苦手だから、体育の授業でしかバレーをやったことがないのだけど、相手からサーブがくるときって、なんだか妙に怖い。
選手達がコートに入っていく。スターティングメンバーはいつもと変わらずだ。
ボクトコウタロウだけ警戒してても絶対どこかで足元掬われるな。一端の強豪校だし、ボクトコウタロウが調子を落とした時にフォローしているのは周りなのであって、当然周りも全国大会に相応しい実力を持っている。
ホイッスルの音が鳴った。
相手の洗練されたサーブを、山形さんがちゃんと返している。
サーブを返して、そうしたら今度はこっちの攻撃の番。
もしかしたら、先にサーブをやる方も怖いかもね。
山形さんが拾ったボールは、綺麗にセッターのところへ返っていく。
「牛島さん！」
ここ。ここを決めるか、それとも拾われて、点をとられるか？
牛島さんは、単純なパワーだけでなく、左利きという大きなアドバンテージを持っている。毎年全国大会で相手をしていたとしても、慣れや感覚というのは、取り戻すのに時間がかかるものだ。
牛島さんのスパイクモーションを見上げた。
初めて牛島さんのスパイクを見たのは、中学一年生の夏だった。初めての大会。初めての県大会決勝。
北一のみんな、上手かったから、まさかそれよりも上がいるだなんて思わなかった。
だけど、人生とは、縁とは不思議だ。
あの時は、ただ絶望感に満たされていたのに、今は何故か安心している自分がいる。
……だってもう、敵じゃないから。
＿＿＿＿『俺は勝って全国に行きたいんだ！』
……みんなと道が別れるのは、もしかしたら、最初から決まっていたかもしれない。本当はきっと、最初から同じだった。
＿＿＿＿『勝つために、俺はもっと＿＿＿』
＿＿＿＿『こっちがしんどいくらい』
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昆布の神(プロフ) - （名前）さん» お気遣いありがとうございます……！ 実は今の時点で7シリーズ続くことが確定しておりまして、コレ完結まで時間かかりすぎだろ問題になっておりまして……。できる範囲で頑張りますね。感染症が流行っているので、そちらも体調にお気をつけて！ コメありです！ (1月11日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
（名前）(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく拝見しております！何だか焦っているように見えてとても心配です💦無理して書かなくても自分のペースで投稿しても良いんですからね！！これからも体調には十分に気をつけて過ごして下さい！これからも応援しています！ (1月11日 21時) (レス) @page48 id: 9cd8b18189 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - Yunaさん» コメありです。更新の準備をしておきますので楽しみにしていてくださいませ……！ (1月2日 17時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
Yuna(プロフ) - いつもお話楽しく読ませてもらってます！作者様もお気をつけください！1週間後楽しみにしています。 (1月2日 12時) (レス) @page39 id: 8dc1901234 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ミミさん» コメありです。嬉しいコメントありがとうございます！ 頑張ります🫶 (12月19日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年12月18日 22時
