北一出身の白鳥沢マネージャー【2nd season】【ハイキュー】

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やはり、時が過ぎるのは早い。

インターハイ当日。初めて入った全国大会の会場。テレビでは一部しか見れなかった会場。めちゃくちゃ高い天井にソワッとした。



「Aちゃん興奮してるね〜。会いたい人とかいるの？」



全国大会三年目ともなれば慣れてしまうのか、天童さんがいつもと変わらない口調で訊いてきた。



「会いたい人？ そうですね、やっぱり一番の注目は九州の桐生さんですね」

「わーお、若利くんのときといい、Aちゃんの好みってホントわかりやすいわ。サクサじゃないんだよね、キリュウなんだよね」

「関東の佐久早もカッケーですよ。でも最推しは桐生なんです〜」

「そうなんだぁ〜」

「そうなんですぅ〜」



やばい。強者揃いのこの会場に来てしまったから、表情筋がニヨニヨしてしまう。



「……ただ、女子の会場が違うことだけ不服ですけど」

「あー。怜央ちゃん？ だっけ。新山女子でバレーやってるんだよね」



そう。親友の阿澄怜央がいる新山女子も無事に全国枠に入ったのだが、男子とは会場が違うので会えない。



「まあ、今すごく幸せなのでオールオッケーです。桐生さんのところとはブロック違ったし、時間あったら見に行きます」




＊



白布 side



一年生が全国の会場にワキワキするのはいつものことだが、女子マネージャーがあんな風に興奮しているのを見るのは新鮮だ。しかも普段は寡黙なやつが、『九州の桐生が見れる♡』とか言っているし。

バレーのことになると、葉山はわかりやすく口数が多くなる。白鳥沢に来たのは、バレーが好きだという気持ちを心のどこかで諦めきれなかったからだろう。


そんな葉山が一度バレーから離れようとしたのだから、当時の北一の様子はかなり酷かったと考えられる。

部員や監督にビビり散らかしていただけの葉山が、段々と物怖じせず話せるようになっていたり、いきなりウケると思って髪を染めたり、今はクレイジーな一面も目立ってきた。


何かがひとつ違えば、そんな姿を北一の奴らにも見せていて、もしそんなイフがあったら、葉山は間違いなく白鳥沢ではなく青城に進学していただろう。

三年生は特に葉山のことを可愛がっているし、葉山もいつも楽しそうにはしているが、そんなもしもの未来を考えると、関係がほぼ絶たれた今の状況が少しもったいなくも思えた。

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