北一出身の白鳥沢マネージャー【2nd season】【ハイキュー】

𓂃 𓈒𓏸72𓏸𓈒‬‬ 𓂃【＊・青城】 ページ26

*



国見 side



「……というわけで、夏休み前だということもあって皆さん浮かれているようですが」



帰りのHRで担任が改まった口調で「皆さんプリントは渡りましたね」と教室を見渡した。
長い担任の話なんか聞く気もないが、怒られるのは面倒なのでプリントに視線を落とす。



「最近、この地域で不審者の情報が回っています。特にゲームセンターでの目撃情報が多いです。ゲームセンターは、恐喝被害等のトラブルがうちの高校に限らず毎年報告されています。皆さんも高校生ですし、子供だけでゲームセンターに行くなとは言いません」



「……が！」と担任が語気を強めた。



「くれぐれも夜遅くまで居座らないこと。あと不審な人物を見かけたら接触せずに警察に連絡をしなさい。以上」



不審者というから男だと思っていたが、このプリントによると不審者は女で、銀髪でサングラスを身につけているという。そんな典型的な見た目の不審者なことあるのかよ。

身長は155〜160cm。まあ平均的なほうか。
それにしても、犯罪するなら何故銀髪なのだろう。黒髪ならもう少し目立たないだろうに。




＊



「あっちぃ〜」



じりじりとコンクリートと人間を焼く太陽に、金田一が汗を流して悲鳴をあげた。

今日は月曜日なので、部活はオフ。
およそ一か月前のインターハイ予選で、青葉城西は決勝で白鳥沢に敗けた。葉山と久々に会ったり、まぁいろいろあったわけだが、正直心配だったのは及川さんの方だ。


俺達が中一のとき、及川さんが中三のときだ。

及川さんはウシワカや影山の存在に焦燥感が抑えられなくなり、オーバーワークが激しくなった。精神的に追い込まれている様子を見ていたので少し心配だったが、さすがに高校三年生ということもあり、そんな心配は杞憂だったらしい。岩泉さんもいるし。



「金田一、アイス買っていかない？」

「いいな。ここら辺だったら近くにコンビニが……」



金田一がいきなり止まって、近くのゲームセンターを凝視した。なんだよ、暑いのにと思いながら金田一の視線の先を見ると、ゲームセンターのガチャガチャの前で座り込んでいる女の後ろ姿。しかも白鳥沢の制服だ。

白鳥沢にもゲームセンターで遊ぶようなヤツがいるんだな、と見ていたが、その女の髪色が白鳥沢には珍しい銀髪であることに気がついた。


＿＿＿『この地域で不審者の情報が回っています。特にゲームセンターでの目撃情報が多いです。』



((＿＿＿アイツじゃね？))

𓂃 𓈒𓏸73𓏸𓈒‬‬ 𓂃【＊】→←𓂃 𓈒𓏸71𓏸𓈒‬‬ 𓂃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す