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岩泉 side
「Aちゃん、もうすぐ誕生日だよね」
及川がスマホのカレンダーを見ながらぼやいた。
「そうだな。まさか白鳥沢に
「しないよそんなこと! そもそも白鳥沢の敷地に足を踏み入れること自体ヤだね!」
及川がふんと鼻を鳴らして目を逸らす。「……でもまあ」と改めて口を開くと、その声は妙に静かだった。
「今年は変な感じ。お節介かきたい気もするし、白鳥沢にその役目を取られたようで悔しい気もする」
「お節介? ……ああ」
国見と金田一のことか。
あいつら、インハイ予選の決勝前も浮かない顔してたな。
そして葉山も、及川に冷めたツッコミをしていたもののいい顔はしていなかった。
「何も聞かないんだな。影山が“王様”呼ばわりされてたの知ってるくせに」
「だからこそでしょ。アレはあの子達の代の問題じゃん。Aちゃんが白鳥沢行ったって聞いて、なんでなんでって騒いだけどさ、正直わかってたよ。理由くらい」
「まぁ真面目だからな。飽き性だけど」
「Aちゃんはぶっちゃけ何も関係ないといえば関係ないんだけどね。選手の問題だし、そもそも飛雄に何も教えなかった俺のせいでもあるかも」
「やっぱクソ川だな」と言うと、及川は「岩ちゃんヒドイ!」といつものノリで返してきた。しかし、今日はそのノリもすぐに終わる。
「でも背負っちゃったんだからしょうがないよ。むしろそういう子だから、あんなに口下手で人見知りなのに、どこに行っても受け入れられるんだ。……悔しいけど、なんだかんだ白鳥沢で楽しそうにしてるみたいだしね」
あの代には、下手に入り込むとすぐに壊れて崩れ去るような目に見えない脆さがある。
影山、金田一、国見、葉山。それぞれが違うものを抱えていて、それでも尚過去を振り切って今できる精一杯をやり抜こうとしている。その反面、自分達の
分かれた道。また交わるという保証はない。
「ま、今年はいいや! 白鳥沢に譲ってあーげよ。及川さんは優しいからね」
「クソ川さんの間違いだろ」
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昆布の神(プロフ) - (名前)さん» お気遣いありがとうございます……! 実は今の時点で7シリーズ続くことが確定しておりまして、コレ完結まで時間かかりすぎだろ問題になっておりまして……。できる範囲で頑張りますね。感染症が流行っているので、そちらも体調にお気をつけて! コメありです! (1月11日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく拝見しております!何だか焦っているように見えてとても心配です💦無理して書かなくても自分のペースで投稿しても良いんですからね!!これからも体調には十分に気をつけて過ごして下さい!これからも応援しています! (1月11日 21時) (レス) @page48 id: 9cd8b18189 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - Yunaさん» コメありです。更新の準備をしておきますので楽しみにしていてくださいませ……! (1月2日 17時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
Yuna(プロフ) - いつもお話楽しく読ませてもらってます!作者様もお気をつけください!1週間後楽しみにしています。 (1月2日 12時) (レス) @page39 id: 8dc1901234 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - ミミさん» コメありです。嬉しいコメントありがとうございます! 頑張ります🫶 (12月19日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月18日 22時