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「ねえ聞いた!?」



一般人のものと思われる声が聞こえ、現在はギンガ団としての姿でいるAは思わず身を隠した。

こっそりと覗き見ると、二人の人間が焦ったような声色で話しているのが見えた。



「コトブキシティでギンガ団二人と子供二人がバトルしてるんだって!」



ギンガ団二人と、子供二人────……。


今の子供は怖いもの知らずなのだろうか。
ギンガ団は、時と場合によってはポケモンを殺すことだってある。そんなギンガ団に歯向かう子供など、聞いたことがない。

おそらく子供と戦っているのは下っ端。

ジュピターとサターンは近くにいない。
マーズは発電所。

そもそも、他の幹部には頼れない。ポケモンバトルを止められるのは、自分しかいない。





コウキ side



コトブキシティの北の方でヒカリとナナカマド博士、そしてギンガ団二人を見つけた。
聞けば、ギンガ団がナナカマド博士の研究成果を奪おうとしていたらしい。

ヒカリとのダブルバトルでギンガ団を退け、一件落着と、そう思っていた。



「……一人? あともう一人は?」



胸元に“G”のロゴがついている服。
真っ白な髪と、露出された白い肌は、妖艶というよりも、どこか異質さを放っていた。



「ねえ、あなたなの。ギンガ団の下っ端と戦ったのって」

「……ああ」

「ふぅん……ジム巡りしてるの。道理で強いわけ」



顔立ちから察するに、歳はあまり離れていないような気がする。
でも、彼女の瞳に子供のような無邪気さはない。



「アンタもギンガ団なんだよな?」

「まあね」



そう答える彼女だが、さっきのギンガ団の下っ端とは強さも立場もわけが違いそうだった。
纏うオーラが畏怖を象徴し、服装もまったく違う。



「───私はギンガ団幹部のウラヌス。
ここでギンガ団の相手を子供がしてるって聞いて来た」



水色の瞳がまっすぐに俺を見る。
凛とした佇まいで、どこか淋しそうな。



「ウラヌス……天王星?」

「よくわかってるじゃん。大当たり。
天王星は仲間はずれの惑星。覚えて帰ってね」

「……帰る?」

「なに。私変なこと言った?」

「いや、ギンガ団のことだし、ただで帰らせないと思ってたから」



そう言うと、ウラヌスはジッと俺を見た。
そして口を開く。



「私は帰らせるよ。……まあ、他の幹部とかボスがいれば帰らせられないけどね」

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2023年1月26日 20時

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