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「ギンガ団の、ウラヌスだね？」
Aの考えを汲み取ったらしいハンサムはそう言った。
が、Aは本気で警戒心丸出しにしている。モンスターボールを構え、いつでもかかってこいとでも言いたげな瞳だ。
Aは嘘と真実を知っている。そして、それをよく
「だったら何なの。逮捕するならポケモン勝負で勝ってからにしてくれる」
そう言ってAはモンスターボールを突き出した。
彼女なりの精一杯の抵抗であり、“正義”だった。
嘘と真実と、裏切り。
そんな彼女にだって、守りたいものがある。
Aはギンガ団の敵だ。しかし、国際警察の味方ではない。
Aがモンスターボールを握る手に力を込めたそのとき、後ろから伸びてきた手が彼女の顔に触れた。
そして、抱きしめられるように＿＿＿逃がさないように彼女に片手を回す。
この手の感触を、Aは痛いほどに知っていた。
「いい子だ」
声を聞いて確信する。
振り返ると、どこからやってきたのかサターンがいた。
普段ならば何とも思わない。
しかし、今日はわけが違ったためAの肌が
今日は朝に出勤して以来アジトに帰っていない。
そして、この時間帯にもなれば団員は幹部も含めて、ほぼ全員退勤しているはずだ。
にも関わらず、サターンはAを見つけ出した。
しかも、国際警察と対峙したこのタイミングで。
普段の行動が怪しまれていて、尾行されていたとかならまだマシだ。
しかし、ユクシー、アグノム、エムリットを捕らえる算段を進めている最中の今、幹部であるサターンがわざわざそんなことのために時間を割くだろうか？
尾行ならば、部下にやらせるのが賢明だ。
Aは今、最悪のパターンを想定していた。
「！ 君は……」
サターンの服を見て、ギンガ団の幹部だと気づいたハンサムは目を開いた。
「国際警察……部下も護衛もなしのひとりで来るなんて、随分とナメられたものだな」
サターンの言葉が、左の耳から右の耳へと抜けていく。
Aは、自分の体を見て呆然としていた。
「……ポケモン勝負は得意ではないのだが」
バトルは避けられないと感じたハンサムは、コートのポケットからモンスターボールを取り出した。
しかし、サターンはそれを片手を上げて制す。
「悪いが遠慮させてもらう。こんなところでギンガ団と国際警察が激突したなんて、知られたら面倒だからな」
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年1月26日 20時
