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「ねえ、コウキ。私とポケモンバトルしてほしいの」
ウラヌスがモンスターボールを取り出して言った。
ギンガ団の幹部と戦うのは、これで三人目だ。
「マーズとジュピターとも戦ったんでしょ。幾度となくギンガ団の邪魔をしては本当に退けちゃうし……。その
太陽に照らされたらとけて消えてしまいそうなほどに真っ白なウラヌス。
そう思うだけで、太陽に照らされたところで彼女はとけないし消えない。
「あんまり時間ないから、使用ポケモンはお互い一体だけね」
そう言ってウラヌスがモンスターボールから出したのは、いわタイプのラムパルドだった。
見た目からは想像もつかないようなポケモンが出てきて内心びっくりする。
「いけっ! ハヤシガメ!」
初めてトレーナーとして持ったポケモン。
くさタイプのハヤシガメ。いわタイプには有効なタイプだ。
「こおりタイプといわタイプしか使わないって決めてるの」
ウラヌスがラムパルドの背中を撫でて言った。
「
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「ハヤシガメ! はっぱカッター!」
「岩石封じ」
上から落ちてくるがんせきふうじに怯むことなく、ハヤシガメがはっぱカッターを
お互いの攻撃がぶつかり合い、大きな砂埃がたつ。
砂埃が消えると、地面に倒れているのはラムパルドのほうだった。
それを見て、ウラヌスがモンスターボールにラムパルドを戻す。
「……おつかれさま」
ウラヌスがモンスターボールを親指で軽く撫でたのが見えた。
今までギンガ団を見てきてわかったことだが、下っ端はポケモンを道具として見ているような言動が目立っている。
それに反して、幹部のほうがポケモンには愛着があるように見える。
「ふうん……。やっぱりただの子供じゃないんだ」
そう言うと、ウラヌスが腰のあたりから何やら取り出しながら俺に近づいた。
「ありがとう。これはお礼」
Aは、取り出したものを突然俺に軽く投げた。
間一髪で受け止めると、それはすごいキズぐすりだった。
「……私ね、つい昨日まで外出禁止されてたの」
「え?」
「ねえ、君は何のために生きてる?」
モンスターボールを持つ手を口元に持ってきてウラヌスが言う。
「どうしてポケモンジムに挑むの?
どうして親元を離れて旅をするの?
それが自分にとって何になるの?
___もっと知りたい。君のこと」
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年1月26日 20時