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そんなアグノムが、四年を経て何の前触れもなくサターンの前に現れた理由。
「……なんだ。今になって復讐に来たとでも言うのか？」
やや自嘲的にサターンが言う。
考えるとすれば、罰を与えにきた、ということくらいしか思いつくことがない。
ミオシティのミオ図書館で見られる神話の文献には、アグノムは敵対する者に対してその力をもって、意志を操り
四年の月日が経っているので、七日となると矛盾が生じるが、所詮、神話の話だ。文献と事実が
アグノムはこれといった反応を示さず、サターンを見つめ返すばかりだった。あの三体の中で、意志ポケモンというわりに最も表情に乏しく何を考えているのかよくわからないのがアグノムだ。
なんなら、常に目を閉じているユクシーの方が大まかな感情は理解できるまである。
「四年前にしたことは、申し訳なく思っている。……お前の司る意志が、私には足りなかったのだろうな。だから、多くの選択を間違えた。生き方なんて、模索すればいくらでもあったと今は思う」
これは、本音だ。
事実、ギンガ団の名は残り、施設もそのまま活用しているとはいえ、四年前までの姿の面影もなく現在ギンガ団は真っ当な組織として役割を果たしている。
＿＿＿＿『サターン様は頭脳明晰ですから、こんなところにいなくてもご活躍の場は多分にあると思いますけどね』
今になって、何年も前のAの言葉が蘇る。
Aこそギンガ団などにいるべきではなかった。あの小さな体で、あれほどに大きく重い荷物を背負うつらさは計り知れない。
……ああ、それとも、自分がAを連れていってしまえば良かったのだろうか。逃避行なんて、創作物にしか見ないような男女の戯れを、馬鹿げたことと思わずにやっておけば。
＿＿＿＿『アグノムのいるリッシ湖には爆弾を落とせ』
アカギから受けた、あの命令が脳裏によぎる。
いっそのこと忘れてしまいたい。でも忘れてしまえば、一生をかけて罪を償い続けるその“意志”を捨てることになる。
「……まさか、あの爆弾を本当に投下する日が来るとは思わなかった。
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年1月26日 20時
