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高校三年生と言えば、受験生。

十八歳って、なんだか不思議。
大人でもないし、子供でもない。
そんな感じがする。



「おーいかーわくん」



隣の席で難しい顔をしている及川の腕を、シャーペンの頭でツンと軽く押すと、彼はムカつくくらいに整った顔をこっちに向けた。



「ど〜うしたの。そんな難しい顔して」

「進路希望、どうしようかなーって」

「はは、真面目か」

「いや、これみんなやってることだからね?」



高校三年生、六月。
男子バレー部は、今月頭のインターハイ予選で決勝まで進んだものの、王者白鳥沢に完敗し、またもや全国出場を逃した。

うちの男子バレー部は、全国でも戦えるチームだと言われてはいるが、県内にココより上がいるため県内に留まるに至っている。



「バレーは続けないの?
二年生のとき、体育でバレーやったじゃん?
その時の及川が一番楽しそうだったよ」



巷の噂で聞いた及川のバレーボール選手としての評価。
総合力は県内トップとか。
そんな彼でも、こうして迷うことがあるのか。



「バレーは続けたい……る、けどさ」

「あはは。なに、続けたい、る、って」



恐らく『続けたい』を『続ける』に訂正しようとしたのだと思うけど。
続けたい、という願望の形では弱く聞こえてしまうから、続けると言ったのだろう。



「まあ、スポーツの世界でプロになる人は、大抵全国大会で名が知られてたような人ばっかりだもんね」



そう言うと、及川が図星を突かれたようにわかりやすくギクッと肩を震わせた。
何が本音かはわからないが、こういう反応だけは本当にわかりやすい。



「迷うのは良いと思うけどね〜。
いろんなこと悩みながら進路を決めていく人なんて沢山いるし」

「そう言うAちゃんはどうなのさ。
将来の夢とかあるの?」

「え、私?」



軽やかにペン回しをしながら能天気な笑みを浮かべる。
そのペン回しをしている手を止め、「私はね」と口を開いた。



「適当に生きることかな」



そう言うと、及川がポカンとアホ面で私を見つめた。
その顔を見て、思わず笑ってしまう。



「ふんっ、イケメンがアホ面してるとウケる」

「ちょ、鼻で笑わないでくれる!?」

「あー、メンゴメンゴ」

「百二十パーセントごめんなんて思ってないでしょ」

「まーね」



机に顎を乗っける。
まだ梅雨入りしていない空は、太陽がまだキラキラと輝いている。

そして、人差し指と親指で前髪をつまんでいじり出した。

当→



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hwjIN___(プロフ) - 厳島神社は広島です泣 (2023年2月25日 20時) (レス) @page2 id: a610b7465a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2023年1月23日 22時

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