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『実はさー、マネージャーが欲しい! ってなってて。
誰かいい子いないかなーって思ってたら後輩が教えてくれたんだよね。葉山ちゃんのこと。うちのバレー部、結構強いんだよ。見に来るだけ見に来ない? 絶対面白いからさ』
そう。すべてはあの瞬間、あのときから始まっていた。
後から聞いた話だけど、北一にマネージャーがいなかったのは及川さんがモテすぎて、及川さん目当てでマネージャーになってちゃんと仕事してくれる人がいなかったらしい。
そこで、私でダメだったらもう諦めようという話になっていたらしく、良くも悪くも私の無頓着な性格がハマったみたいだ。
バレー部に入って、みんなに良くしてもらった。
先輩方にはお世話になった。
同学年も、国見や金田一、影山とも話すようになった。
少なくとも一、二年の頃は影山、金田一、国見で行動しているのをよく見ていた。
バレー部に入ったおかげで、バレー部繋がりで女子バレーだった怜央に声をかけられて、友達もできた。
でも____。
*
「はー……」
なんやかんやで流されて、仮入部することになってしまった。いや、『なってしまった』って言うのも失礼なんだけど。
近々練習試合があるらしく、ビブスを洗うために体育館倉庫に入ると、特有のほこりっぽさが鼻についた。
足下の邪魔なものを片付け、ビブスを回収していく。
さすが私立というべきか、校内設備は素晴らしいほど整っている。北一は公立だったから、強豪とはいえ部活専用の洗濯機なんて買ってもらえなかったし、先生達との共有物としての使用で、効率も悪かった。
さっき仕事の説明をしてもらったときにチラッと見たけど、洗濯機もデカいし、しかもバレー部専用だった。バレー部は専用のスクールバスがあるくらいなので、強豪揃いの白鳥沢運動部の中でも特に優遇されているようだ。
カゴの中にビブスを入れて、洗濯機に入れようと倉庫を出ると、耳の横でドン! と直接手を出されたわけではないのに体が痛くなるような音がした。どうやら流れ弾が飛んできたようだ。
「悪い」
重厚な雰囲気の声が響いた。
見上げると、みんなと同じ高校生のはずなのに、何故か一回りほど大きく見える男子生徒がいた。
「あ……」
それは、三年ぶりに見る姿。
及川さんや岩泉さん達が三年間、そして今も適っていない。私にとってもかつての宿敵。
___高校三大エース、主砲牛島若利だ。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時