北一出身の白鳥沢マネージャー【1st season】【ハイキュー】

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瀬見 side




教室の黒板を見て、そういえば今月(五月)は天童の誕生日だなと思い出した。いつも破天荒な言動が目立つが、あいつはあいつなりに白鳥沢とここにいる人間が好きなだけで、いろんなことをやっている。

いつもイベントごとを大事に祝ってくれるし、いつもプレゼントはあげているけれど、今回は俺達からも大々的なサプライズでもしようか？





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「Aってちゃんと友達いんの？」



片付け中、工がどストレートにAに訊ねると、彼女はあからさまにショックを受けたような顔をした。
いやいや、さすがに失礼だろと思いながら一年ズの会話を見守る。



「いるよ。中学の時の同級生にだってちゃんといるよ」



Aがムキになって返す。
前のワニワニパニックの時も思ったけど、アイツって意外と負けず嫌いだ。しかし、すぐに自信をなくしたようにボソッと「……ひとりだけ」と呟いた。あちゃー。



「この子」



Aがそう言って工にスマホで写真を見せた。



「阿澄(あすみ)怜央(れお)っていう子。今新山女子でバレーやってる」



いや、めっちゃ強豪じゃねえか。

新山女子といえば、ここ数年連続で宮城の高校女子バレーの県代表として全国大会に出ている強豪中の強豪。白鳥沢は“絶対王者”なんて呼ばれているけど、新山女子は“女王”と呼ばれていると聞く。



「今月の28日が誕生日だから、何かプレゼントあげようと思って」



ああ、いいじゃないか。……いや、“ええじゃないか”なんて言ってねえよ。


高校生になっても続く縁って貴重だからな。
ていうか、28か。天童が20だから、約一週間離れてるだけで結構近いな。



「それでね、私と怜央って誕生日がちょうど一ヶ月違いなの。私が6月28日」



Aの声がだんだん熱を持って、ヒートアップしていくのがわかる。……ヒートアップ？



「これってもう運命だよね。私と怜央は会うべくして会ったんだよ。怜央ってば本当に可愛くて、肌も綺麗だし髪はくせっ毛気味でふわふわしてて、ツンデレだからよく言葉では突き放すけど私のこと大好きで、ラインの私の名前にハートを五個つけてて……」



工がツっこむ暇もない勢いでAがペラペラと喋り出す。ちなみにここまでノンブレス。……なんか、今のAの顔、仮入部のとき若利に興奮してたあの顔と似てるような。



「だからね、中学のときから毎年怜央用うちわ持って祝いに行ってるの」



怜央用……うちわ？

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