北一出身の白鳥沢マネージャー【1st season】【ハイキュー】

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「烏野高校の武田先生直伝の土下座で謝れます。なので弟はお助け下さい」

「知らねえよ誰だよ。っつーかなんで他校の教師と面識あるんだよ」

「近所だったんです」



そのとき、俺の脳裏に突然先月の記憶が流れてきた。
……近所……近所……。どこかでこのワードを聞いたような……。



『初恋あるの？』

『ありますよ』

『誰々？』

『近所に住んでた…………当時大学生だった若いお兄さんです』








……駄目だな。
言ったら七星君の気が動転して天変地異が起こる。
ここはあえて触れずに……。



「ソレって前に言ってた初恋の人？」



天童さん空気読んで＿＿＿＿＿＿ 。


これにはさすがの俺もツッコミを入れたくなる。
しれっと破壊力鬼レベルの爆弾を投下すんなよ。



「……初……恋？」



七星君が持っていたシャーペンの芯がバキッと折れた。



「姉さんどういうこと！？ 俺の知らないところで知らない男に恋してたの！？」

「今 烏野にいる武田先生ね。それに、誰に恋してるとか普通言わないし……」

「言ってくれたら良かったのに！！ そしたら俺はっ……俺はぁ！！！」

「でも七星……」



Aちゃんが普段通りの垂れ目で、至って冷静に言葉を放った。



「あんた、そのとき二才だったよ」

「えっ」



姉弟の間にしばしの沈黙が訪れた。
そして、七星君がストン……と席に座る。



「悔しい……。そのとき北斗兄さんは十才ッ……！」

「わー八歳差」

「七星(お前)恥ずかしいって感情どこに捨ててきたの？？」

「つーか武田って誰だよ。俺外部受験して烏野行こうかな」

「白鳥沢より三十近く偏差値下だから余裕で行けると思うぞ」

「姉さんゴメン……。俺は姉さんが歩いた廊下や教室を踏むことなく烏野に行く……！」

「なんでもいいけど好きなトコ行きなよ」



至極真っ当過ぎる意見。
というか烏野行って何するんだ。
その武田先生って人に今度こそメンチ切るのか？



「はぁ……なんで血縁なんだろ。生まれ変わったら姉さんと結婚したい……。他の誰かが姉さんを幸せになんて考えたくない……！！」

「やっぱり血ぃ繋がってねえだろ」

「繋がってますよ。姉さんに似た清らかな血が流れてるんです」



その後、七星君は姉のことを考えては涙ぐみ、結局姉に従って年上の高校生達に勉強を教えていたのだった……。

そして中間考査ではバレー部一同成績が上がり、葉山七星という人間の天才ぶりと狂気性を嫌と言うほど思い知った。

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