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A side
目を覚ますと、時計は夕方の十六時を回っていた。
今日はゴールデンウィーク最終日で、明日からはまた通常授業だから、今日の練習は十八時まで。
(あと二時間……)
むっくりと起き上がり、体温計を取ろうとすると、ベッドの隣にポカリと解熱剤が置いてあった。先生が置いてくれたのだろう。申し訳ない。
体温計を脇に挟み、窓から見える夕焼けに目を向ける。
それにしても、七星は大丈夫だろうか。
あの子ちょっと熱くなるところあるから、ちゃんとやれているか心配だ。
ピピピ、と体温計が鳴り、見ると体温計は【36.7】を表していた。
「……」
マスクを手に取り、ジャージを着て私は寮を出た。
＊
瀬見 side
重度のシスコン(本人否定)として現れたAの弟と名乗る七星。
“バレーはうまい” という純の言葉通り、確かにリベロとしてレシーブの精度は高いし、勘で動いてるタイプの(でも上手い)隼人から技術を見て学んだらしく、今日だけで随分と上達したように見える。
やはり学習能力が高いと上手くなるのも早いのか……。
ちょくちょくAの長所をめちゃくちゃ語ってきたりしていたが。
たとえば、
魚の食べ方が綺麗だとか、
常に清潔でいい匂いがするだとか、
男慣れしていなくて可愛いだとか。
なのに男子バレー部のマネージャーで毎日男に囲まれるなんて、とかいう愚痴もついでの如く漏らしていた。
ここまで来ると、こいつらは本当に血の繋がった姉弟なのか疑いたくなってくる。
実はお前ら実の姉弟じゃありませんでしたとか漫画展開来るんじゃないかと思ったが、顔を見る限りどうしてもAと重なる。
でも北斗さんとは二人ともあまり似ていない。お互い父親似と母親似に別れたのだろうか。
汗を拭いながら時計を見ると、時刻は十六時十五分だった。今日は十八時までだから、あと二時間くらいか。
タオルを置いて、サーブを打とうとピッとボールを離すと、七星が別の何かに気づいたように硬い表情筋をほんの少しピクリと動かした。
が、サーブにはちゃんと反応してくる。
ああクソ、中一のくせしてうめぇなっ……！
「姉さん！ 動いていいの！？」
「姉さん！？」
「おいバカ、ボール見ろ！！」
「あっ……ああぁぁあ！！！」
姉さんに気を取られてこっち側に返ってきたボールを拾おうとするも拾い損ねて無残にもコートに落ちた。
思わず舌打ちをこぼしたのは誰にも言わない。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね！ (12月31日 7時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか？😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください！ (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年12月5日 22時
