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「スミマセン。でもあの、ほんと、バレーはすっげー上手いんです! 七星が後ろにいると安心感すごいし!!
あ、俺は黒沢 純です!! 部長やってます、一応!!」
七星君の首をがっちりホールドしてなんとか抑えている純君が焦ったようにひたすらに言葉を紡ぐ。
____ああ、ヤバい奴来たなあ。
「……えーっ……と」
常識人の生き残りである瀬見さんが困ったように頬をかいた。
大平さんがいればもっと抑制力が上がったのかもしれないが、大平さんまで入れるとと三年生の主力がこっちのチームに固まることになるので、別のチームに配属されている。
「七星は……北一じゃないんだな」
三兄妹の上二人は北一出身なのだから、距離的には北一がいちばん近いのだろうし、北一は公立で受験が要らないのに対して白鳥沢は私立なので受験がいる。しかも難易度と倍率が高い。
「まあ確かに姉さんが踏んだ教室や廊下を踏みに行くのも良いとは思うんですが」
「七星、お前そろそろお姉さんにひっぱたかれるんじゃねえの……」
「は? もう通算392回は平手打ち受けてますけど? あのオイカワよりも多い記録打ち立ててますけど?」
もう駄目だ。シスコンとかそんなレベルじゃない。
賢二郎の牛島さんに対する尊敬さえ軽く凌駕する程の重い愛を感じる。
「でも姉さんが白鳥沢行くって聞いて……。姉さんと離れるなんて死んでも嫌だ……! って思ったので、小六から勉強頑張りました」
「小六から受験対策して白鳥沢受かったのかよ!?」
「頑張ったんですよ、姉さんのために……!!」
「天才かよ」
Aちゃんの器用貧乏さといい、こいつの学力の天才ぶりといい、この姉弟どうなってんだ。
余談だが、実はAちゃんは仮入部期間のとき、もはやゴミ屋敷と言われてもおかしくない倉庫をアホ綺麗にして、それを『頑張った』の一言で済ませていたというエピソードがある。
「わかります?
姉さんが上と言ったら下も上で、
姉さんが黒と言ったら白も黒なんです。
この地球という星は姉さんという最も美しい人間を中心として回っていて、そこには一寸の穢れも持ち込んではなりません。でもいつか姉さんにも恋人ができるのでしょう。その時は俺が姉さんを幸せにできるのかをしかと見極め……」
「もう練習やりましょう。
「……純。べつに疲れたら休んでも良いんだぞ……」
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時