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「……」
目の前の体温計には、【37.5】のデジタル数字。
ゴールデンウィーク最終日にして、見事に風邪をひいた。
「はぁ……」
ため息をついて前髪をかきあげる。
体調管理が不十分だったか、新しい環境に少し疲労が溜まったか……。どちらにせよだ。
「うるさくなりそう……」
*
川西 side
「……というわけで、葉山は発熱で今日は休みだ。ビブスとかは昨日のうちに葉山が準備しておいてくれたから、それを使うこと。あと水分補給はこまめにな」
朝イチにコーチから伝えられたのが、それだ。
完璧主義だと思っていたが、Aちゃんでも体調を崩すことがあるのか。
「アラー、疲れちゃったのかな??」
「仕事がっていうより、九割九分
「賢二郎かわいくない」
「結構です」
確かに、元々
寡黙な子って、何も考えてないように見えて繊細なことって結構ある…………よな?
「九時から中等部が来るから、アップはちゃんと済ませておけよ」
中等部か。今年は中等部の奴らに会うの初なんだよな。
こういう日に女子マネージャーが休みとは、つくづくついていない。
アップや外周をしていれば、一時間なんてわりとあっという間だ。
九時になり、中等部のバレー部が姿を現した。
中等部のジャージは、高等部と色の配置が逆になっただけのデザインだ。
集合がかけられ、一人他のやつより背が小さいのを見つけた。ひゃく……ろくじゅうくらいか。
「……なんか似てね?」
「何が?」
隣にいた賢二郎にそう言われ、賢二郎がさっきのチビッ子を指さした。
「あいつ。目とか、なんか葉山に似てる気がする」
「……えー……?」
どこかやる気なさげというか、眠たげな印象を与える垂れ目。しかし二重の線がくっきりとしていて、綺麗な印象の長い睫毛。
Aちゃんの顔で何が印象的かと訊かれたら、迷うことなく『目』と答える。
だってそうだろ。睫毛長いし、なんかゴールデンレトリバーみたいな目ぇしてるし、二重の線もくっきりしてるし……。
「似てるわ」
「だろ?」
「……もしかして」
オトウト……?
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川西が後輩の女子マネを名前で呼んでたらすげー尊いなって……。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時