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「じゃあ真面目に考えて……」
そう言う瀬見さんが思っていることを当ててやる。
たぶん、『いつも真面目に考えれば良いのに』と思っている。
「白布が何か好きなもの……」
そう言うと、三秒ほど沈黙が訪れた。
その後、部員達が一斉にある一人を振り返る。
そこにいるのは、もちろんあの人。
「若利くんで何か考えるしか……」
「……俺か?」
「そう! 俺だヨ!! 若利くんのスパイクを顔面に受けたって賢二郎喜びそうだもん!!!」
工くんが「それただの限界オタクですよね」真顔で言った。同意。とても同意。
「まあAもちょっとオタクな感じあったけどな」
「えっ?」
「でもね、もうここまで来たら頼れるのは若利くんしかいない!!」
「とは言っても、正直俺では何を……」
「若利くんも無理って思うことあるんだ」
「無理とは言っていない」
「出たよ負けず嫌い」
そして、牛島さんがしばらく考え込み、不意に「よし」と立ち上がった。
「あとは俺に任せろ」
「エッ?」
それだけ言い残して颯爽と去っていく牛島さん。
残されたのは完全無欠の
「……大丈夫なんですか?」
川西さんが天童さんを見ると、
天童さんが「えっと……」と口を開いた。
「まァ、極端な話、若利くんからなら顔面パイでも快く受け入れるだろうし……。無難に堅実にって面では、ウン……」
「
*
「白布」
「! はい」
そろそろ片付けないと時間もヤバいと言ったところで、
牛島さんが白布さんに話しかけた。
果たして牛島さんは何を用意してきたのか……。
部員一同息を飲んで見守る中、牛島さんはポケットからある物を取り出した。
「誕生日プレゼント……。急ぎだったので用意が先日になってしまったが」
「え」
「俺の証明写真だ。新しく撮ってきた」
_____?
「考えが極端だなオイ!! 俺自身が誕プレになることだってか!?」
「俺だけが頼りと言っていたものだから……」
「だから誕生日プレゼントは俺にしようって考えに至るのがすげえわ!! しかも証明写真て!!!」
違う、そうじゃない。
まあなんとなくわかってはいたけど。
予想はついていたけど。
でも牛島さん。
それは意味を履き違えていらっしゃいます……。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時