𓂃 𓈒𓏸27𓏸𓈒 𓂃 ページ29
*
「犬かよ!!!」
仰天したように一際大きな声を出した天童。その声に気づき、Aがこっちを振り返った。
Aがこっちに気づいた瞬間、一気に耳まで赤くする。
そんな彼女の姿に違和感を覚えたのか、大学生の男性もこっちに気づいた。
「あ! バレー部の子達だ!」
爽やかな笑顔で手を振る男性と裏腹に、俺達とAの間にはただただ気まずい空気が流れていた……。
*
「Aちゃんの兄貴ィ!?」
「うん。この前の練習試合は平日で時間無いからAと話せなくてさ。改めてこんにちは。Aの兄の
「……どうも……」
「Aあんまり喋らないからさー。ラインも既読スルーだしそっちのこと全然教えてくれなくて」
「だって兄さん追いライン激しいし……」
どこか口を尖らせてジトリと北斗さんを見つめるA。
そんなAに北斗さんが頬をかく。
「それで、まあ兄としては少し心配でさ。寮入っちゃったから様子も見れないし。でもラインは既読スルーだし。それで、レインで釣ったらようやく会ってくれるって言ったからいろいろ話聞こうと思って」
「…………れいん?」
工が首を傾げると、北斗さんがAが抱きしめている犬を指さした。
「ボルゾイって犬種。綺麗な見た目だろ?」
(……えっと?)
(それってつまり……)
ワンコと会うのが楽しみで嬉しそうだったってことだ……。
「じゃあヘアバンドで嬉しそうにしてたのは?」
訊ねると、Aが「えっと」とグレーのヘアバンドに触れた。
「こ、これは___」
「Aちゃん!? Aちゃんだよね!?」
……ん?
聞き覚えのある声。
そして、なんだか嫌な予感___。
「……あ」
「あっ……」
「及川と岩泉か。そういえば今日は月曜日だったな」
空気を読まず若利が平然と言う。
……ああ。
だから俺はやめようって言ったんだ…………。
「なんっっでオフの日まで白鳥沢の奴らと顔合わせなきゃ……!」
「葉山、久しぶりだな。元気か?」
「ハイ」
「アッ……。Aちゃん久しぶりだね〜、
及川の口から出た“ヘアバンド”という単語に、ひとつ瞬きをする。
「じゃあ、もしかしてそのヘアバンドって……」
「もしかしなくても、当時の北一メンバーからAちゃんへのプレゼントですぅ!!」
749人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時