𓂃 𓈒𓏸26𓏸𓈒 𓂃 ページ28
*
「英太くんだってチャッカリついてきてんじゃん」
「俺は顔面パイの二の舞にならないよう見張ってんだよ」
「も〜顔面パイ顔面パイって……」
「言っときますけど天童さん、俺は顔面パイ一生許しませんから」
「目が怖い」
そりゃ後輩達にデスソースがけケーキを仕返ししてやろうと画策するくらいだ(一年生からすればとばっちりでしかない)。その恨みは計り知れない。
……つーか、そう考えたら来年の一年の歓迎会がすっげー不安だな。
もしかしたら新一年生は本物の恐怖と地獄を見るのかもしれない。川西がうまくストッパーになればいいが、最近アイツは暇さえあればAのお手製すき焼きビッグクッションを抱きしめている。
聞いたところ、アレは、
____『人をダメにするクッションって、こういうことなんだなって。触り心地がもう……やみつきで……』
……らしい。
もう
「アッ! 車に話しかけた!!」
「は?」
車に話しかけるわけねえだろと思いながら見ると、案の定Aは車に話しかけているのではなく、運転席にいる誰かと話していた。
「運転免許持ってる……ってことは、十八歳以上……」
「それは成人が未成年に手ぇ出すのと同じだろ」
「よし行くか」
「待て待て待て待て!!!」
制服の袖をまくり、やる気満々の部員達を必死に抑える。
「恋するのは自由の権利だから、俺達は仲間として、そして人生の先輩として背中を押すとかサポートするとか、そういう話だっただろうが!!!」
「いや、でもそれは相手が高校生だったらの話……」
「それつまり最初からサポートも目的もクソも無かったってことだろ! これじゃ俺達がただのストーカーじゃねーか!!」
ぎゃあぎゃあと騒いでいると、不意に川西が「あれ?」と声を上げた。
振り返ると、車の運転席から前の練習試合でAが顔を赤くして見つめていた男性が出てきた。
「うわァァァ、やっぱアイツか!!」
「いや、よく見てください」
「ぁん……?」
そして、後部席から長い毛並みを持つデカい犬が、水色の首輪に繋がれたリードを引かれて軽快に姿を現した。
「……は?」
「イヌ……?」
Aがしゃがみ込んで犬をわしゃわしゃと撫でると、見たこともないほどの満面の笑みで顔を赤くしながら毛並みに顔を埋めた。
……それ、体育館で見た顔と同じ……。
749人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時