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*
後日、Aがグレーのヘアバンドを取って髪をまとめ直しているのをたまたま見かけた。
「そのヘアバンド毎日付けてるよな。お気に入りなのか？」
と、声をかけるとAは。
「…………貰ったんです」
と言って、懐かしそうに目を細めて普段は硬い表情筋を緩ませ薄く笑った。
(聞いた？)
(聞きましたわ、オクサマ)
(まさか初恋の相手……！？)
(オイ瀬見、もっと踏み入れ！)
「…………あー……」
何故だろうか。
部員達の心の声が今日はより鮮明に聴こえてくる。
試合中でもこれくらい聞こえたらいいのに。
「さ……最近嬉しそうな顔してること多いけど、なんかあったのか？」
ほら言ったぞ。言ってやったぞ！
するとAが「え」と言いながら両手の指で自分の頬をぷにっと押した。
「ホントですか？ 出ちゃってます？」
「結構」
「えーマジですか……」
そう言うと、Aが少し恥ずかしそうに頬を赤らめて「実は」と口を開いた。
「今度、体育館の点検入って部活オフの日あるじゃないですか。その日に会う約束してて……」
「へー！」
(オイ瀬見)
「……誰と？」
マジで俺に話しかけてるの誰だよ。
テレパシーの使い手かよ。
「いや、それはちょっと……」
ついには耳まで赤くして、
だんだん居づらくなってきたのか、Aは「まだやることあるので失礼します」とそそくさと去っていった。
「……ガチじゃん」
「ガチのやつだ」
「結婚したのか……俺以外の奴と」
「男に囲まれて震え上がるAちゃんを落とした奴……。逆に気になるな」
どさくさに紛れて『結婚したのか……』とか言った奴。
べつにAはお前と結婚する気配一ミリも無かっただろ。
「次の点検……二十二日か」
「おう……つまり」
……なんか嫌な予感がする。
部員達のほうを振り返ると、天童がスクッと立ち上がった。
「千載一遇……尾行の、チャンス……！！！」
絶対やめといたほうが良いって＿＿＿＿。
＊
「……ってさぁ、俺は去年だってお前らのパイ投げ、顔面パイやるのは反対したんだぜ？ なのにやりやがって今回も……」
「あの、瀬見さんのご厚意はもう十分受け取りましたから、
俺の頭 肘置きにしないでください。邪魔です」
「スマン」
眉根を寄せる白布の頭から腕を離し、数十メートル先にいるAを影に隠れながら観察する白鳥沢バレー部一行……。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね！ (12月31日 7時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか？😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください！ (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年12月5日 22時
