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「萌え袖だ……」
「女の子の萌え袖……」
「そんな反応してるから引かれるんですって」
そんな会話をしている先輩達を遠目に見て、袖をまくった。普通に仕事の邪魔である。
すると、白鳥沢のジャージに腕を通した工くんを発見した。
「工くん、なんかジャージ姿めっちゃ様になってるね……」
「え! まあな!」
わかりやすく嬉しそうな顔をする。
本当にレイン(※犬)みたいだ。
「え!? いや待って待って、いつから名前で呼んでんの!?」
私が工くんと呼んだことに過剰に反応した天童さんが手を挙げる。挙手する必要性とは。
「え、なんか……バケツの水の件で謝りに来た時になんかいつの間にか……」
「マジで!? 俺がぶっかけたら良かった!!」
そう言った瞬間、大平さんが天童さんを
大平さんと瀬見さんがこの部活の岩泉さん枠か……。
「何ならA、川西さんの名前覚えてませんよ」
「カワ、ニシ……サン……?」
「そういえば俺話したことなかったわ……」
「太一は普段から口数少ないからだろ」
白布さんが難しい顔をして見たその人は、牛島さんにも届きうる高身長の二年生だった。だけど猫背気味なので、実際の身長よりも小さく見える。
……いや、この人練習でもよく見かけるな。たぶん主力の一人だ。
「ブロッカーの川西です。どうも」
「あっ、どうも」
「どうもどうも」
お互いぺこぺこと頭を下げ合う謎の時間。
失礼ながら、なにか似たような匂いを感じる。
こうして、私の高校での部活動生活が本格的に稼働した。
*
瀬見 side
「というわけで! 新入部員も正式入部したわけだし!」
二、三年生だけがいる部室で天童がテンション高めに切り出した。二、三年生と言っても入れる人数が多すぎても纏まらないので一部だけ。他の奴にはあとで回すつもりだ。
「歓迎会しよーよ! 楽しいやつ!!」
「それ去年も企画してくださったみたいですけど、俺ら二年は意味もなく顔面パイ受けた記憶しかないですよ」
白布が目の据わった表情で言う。こりゃめっちゃ恨んでやがる。いや、でもあれ企画したの隼人だから。お笑い好きな隼人だから。
「いいじゃねえか面白いし!今年も顔面パイにしようぜ!」
「いや待て隼人、冷静になれ!去年とはわけが違うんだぞ! 女子がいるんだから!!」
慌ててそう言うと隼人が納得したらしく、「なるほど」と引き下がった。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時