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「自分の価値って、そんなに重要?」
癖なのか、白布さんが前髪を触りながら口を開いた。
「バレーボールが好きって、やるには立派な理由だろ。そこに自分の価値を付加させたいなら、これから見つけていけばいい。誰も、最初は何者でもないんだから」
心にストンと呆気なくスルスルと入ってくる言葉だった。
こんなにも納得させられるのは、彼の賢さからくる言葉だからか、それとも彼自身がそうだったからなのか。
中一のとき、誘われるがままバレー部に見学に来て、その
私がマネージャーになった理由。
今考えると、そんなに複雑な理由じゃなかったはずだ。
辞めるか迷った理由は複雑だったけど。
でも、そもそもの
なかなか友達ができなかった。
バレーボールという競技が眩しく見えた。
バレーのおかげで繋がった友達がいた。
もしも、バレーを通して繋がる何かがあるのなら。
既に分かたれた道に、その先があるのなら。
交わることの無いと思った道が、いつかまた交わって繋がる日も、来るのではないだろうか____?
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「マ、マネージャーで正式入部します。北川第一中学校出身の葉山Aです。よろしくお願いします」
月曜日。推薦組以外は今日からが正式入部になる。
土曜日の朝に学校に行って監督に入部届を出してきた。
(思わぬ所で助言を貰ってしまった……)
バレーボールとは、繋ぐ球技。
持ってはダメ。
落としたらダメ。
繋いで、繋げなくなったら負ける。
負けたくない。勝ちたい。
その思いひとつさえあれば、いつか私もみんなと対等になれる日が来ると信じてる。
自己紹介が終わったところで、牛島さんと添川さんがダンボールを持ってきた。
「正式入部の日に合わせて発注しておいた。
一年生のジャージだ」
ダンボールの中から顔を出した、制服と同じ白と紫を基調としたジャージに歓声が上がる。
「はい、これ葉山さんの」
「ありがとうございます」
添川さんからジャージを手渡され、広げてみる。
背中側に『白鳥沢学園』と漢字でプリントされているのが古く堅実な白鳥沢らしい。
着てみると、三年間使うからちょっと大きめのサイズ設定になっていて、袖が手の半分くらいまで来ていてちょっとぶかかった。
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そろそろ川西を出したいな〜。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね! (12月31日 7時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか?😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください! (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年12月5日 22時