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「いや、当番は俺のクラスじゃな」
「先輩命令」
「ええ……」
すると天童さんが、どこから取り出したのかキットカットを取り出し、ギャラリーに投げた。
「ほら取ってくるんだよ工！！」
「俺は犬かなんかと思われてるんですか！？」
結局五色は先輩の圧に押され、ギャラリーに向かわせられた。
「なんか、
「お？ なに、賢二郎？ なんだかんだ言って工のこと可愛いとか思っちゃったりしてんの？」
「やめてください。思ってませんから」
ただ、俺は聞いた。
一昨日、部活が始まる前に葉山と五色がなにか話していて、そのとき葉山が『五色君ってうちの飼い犬に似てる』と言っていたのを。
五色は俺から見て後ろを向いていたため、それを言われてどんな顔をしていたのかはわからない。見たかった気もする。
体育館の入口の方から年季の入ったドアがギギ、と開く音がして、見ると、葉山がビブスの籠を持って体育館に入ってきた。そういえば明日は練習試合だったなと考えていると、突然ギャラリーから五色の叫び声が聞こえてきた。
「ぎゃーーーー！！！！」
「ん？ なんかあった？ もしかしてG？？」
そのすぐ後、ガシャンと嫌な音が鳴り、まさか、と思ったが時すでに遅し。
「あ……」
「え……」
それなりの人数がいるにも関わらず沈黙に包まれた体育館の中で、ポタポタと水が滴る音だけが響いている。
ギャラリーのほうでバケツが倒れたらしく、そこから流れ落ちてきた水がそのままちょうど真下にいた葉山にぶっかかり、洗ったと思われるビブスまでもがずぶ濡れになっていた。
「…………」
当の本人はずぶ濡れのまま死んだ目でビブスを見つめ、
二階の五色はもう完全に青ざめている。
つーかあいつは一体何を見つけたんだよ。やっぱりGか。
瀬見さんが顔をひきつらせて、意を決して葉山に声をかけた。
「……ほ、ほら、A。わざとじゃないからそんな怒んないでやって……」
葉山は瀬見さんの方を見向きもせず、ビブス一点を見つめているので顔が見えない。
葉山がひとつ息を吐いたのが聞こえた。
「＿＿＿＿怒って、ないんですけど」
葉山の低い声に、拭いきれない部員達のやっちまった感。
しかもただの水ではなく、掃除に使ったと思われる水。
それを入学した週に頭からかぶるという不運。
結局葉山は何も言わずビブスを持ったまま、また体育館を出て行ってしまった。
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昆布の神(プロフ) - リオンさん» ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです🥰 頑張りますね！ (12月31日 7時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 昆布の神さん» 返信ありがとうございます🤗ちょっとした共通のことがあって嬉しいです🤭これからも楽しみに小説を読み進めていきます🫶🏻 (12月30日 23時) (レス) id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - リオンさん» コメありです。めちゃくちゃ読み込んでるというわけではないのですが、実は少し嗜んでおります……笑 (12月30日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 俺でなきゃ見逃しちゃうね。笑笑 もしかしてHUNTER×HUNTERお好きですか？😎 (12月30日 15時) (レス) @page43 id: bb474d7fe4 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - YUKIさん» コメありです。北一メンバー了解です(たぶん過去回想みたいな感じになるかもしれません)。楽しみにお待ちください！ (12月17日 20時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2023年12月5日 22時
