柱辞めたら悪女潰されてたんですけど 壱

弐拾話 ページ25

ASide



お館様「そうなんだね……。
A、正直に言わせてもらうね」



A「？ はい…」



お館様「Aは今、いろんな記憶を忘れている」



A「え？」



どういうこと？

記憶を忘れている……？




お館様「"爽雨"というのは君の兄だよ」



A「兄…」



私は口に出して呟いていた。

私に兄がいたの…？



お館様「……それと、君は鬼殺隊に所属していた頃と性格が変わっている」



A「へぇっ？」



あ、やべ

なんか素っ頓狂な声出しちゃった。




お館様「今の君とは正反対な性格だったんだよ。
Aは」




………そういえば



皆んな、私が変わったって言ってた……





A「だけどわたしは……」




お館様「うん。今の自分に違和感はかんじないんだよね……。
だけどA。

君が少しずつ記憶を忘れていっているのは事実。
このままでは柱の皆んなや鬼殺隊に所属していたことさえ忘れてしまうかもしれない」



それは困る。

絶対に忘れてはいけないことがあるから────





お館様「A、記憶を維持するためにも……
もう一度鬼殺隊に戻ってきてくれないかい？」



お館様は既に見えなくなってしまった優しい瞳で私を見つめている。


本当はまだ戻りたくなかった。

だけどこればかりは仕方のないことなのかもしれない。




A「……承知。
"鬼殺隊・雨柱"として今一度、鬼を狩る使命を全う致します」




私は頭を下げた。




お館様「ありがとう、A…」




鬼殺隊に戻るのはもう少し先延ばししたかったけど、




記憶を忘れたら元も子も無いもんね……






"爽雨"は私の兄




書き込んでおこうかな……

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