柱辞めたら悪女潰されてたんですけど 壱

拾伍話 ページ19

A「うわぁー柱二人出る必要もないくらい弱ーい」



「テメェ風の噂で聞いたけど下弦の弐にも同じこと言ったらしいよな！？
どんな鬼を求めてるんだよ！！！」



A「上弦」



「上弦と渡り合えんのかテメェが！？」



A「柱様舐めんな？^ ^」



まあもう柱どころか鬼殺隊に所属してない私が何を言ってるんだって話なんだけど……



［恋の呼吸 壱ノ型 初恋のわななき］



向こう側から甘露寺さんと鬼の戦闘の音が聞こえた。



A「あっちも始めてるみたいだし、私もやっちゃおうかな」



［雨の呼吸 肆ノ型 木雨の生］



A「……やっぱ雑魚は雑魚だったわ」



うーん、手応えを感じない。
つまらない。



A「あーあう…」←(？)



「おや？可愛い女の子がいるねえ！」



いきなり声が聞こえてきて私はその場から離れる。

この気配


まさか



童磨「こんばんは。俺は童磨だよ」



童磨と名乗る鬼の目には上弦の弐と刻まれていた。



A「上弦…」



童磨「君、強い気配が出てるねえ〜
隊服も着てるし鬼狩りかな？
ん〜、だけどその中でも強いよね。柱とか」



A「悪いけど私、もう鬼殺隊でも柱でもないから」



童磨「えっ？じゃあなんで隊服着てるの？」



A「動きやすい服がこれしか無かったの、わかる！？！？」



童磨「逆ギレ！？あ、でも」



童磨「君もつらいことがあったんだよね……
君の目がそう語ってるよ。聞いてあげる。話してみなよ」



A「いや鬼に話しても何の意味もないから話さないけど、私は鬼殺隊の元・雨柱」



童磨「……ん？雨柱？雨柱ってもしかして爽雨(そう)の……」



は？何でこいつ……



A「兄さんの名前を知ってるの…？」



童磨「下弦はともかく上弦は皆んな知ってるよ？
爽雨のこと」



なんで なんで？


なんでコイツが兄さんのこと知ってるの？
上弦は皆んな知ってるの？
ってことは鬼舞辻も？

それってつまり……



童磨「君は爽雨の妹だよね？兄妹関係でしょ？
肉質の感じとか…顔もよく似てるし！」



A「……うるさい」



考えたくなくて私はただ一言、そう放って鞘にしまっていた刀を再び抜いた。

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