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「キレイ…」
隣に立つ八百万さんが言葉を零し、
その後に付け加えるように、私には戦えない。と呟いた。
「クッソ、A！やっと見つけた！
テメェ何してんだ！はよ帰んぞ！」
かっちゃんは両手をボンボン爆発させながら、
雪織さんに近づいていく。
「わかってると思うけど、その個性ここじゃ無意味。」
そう言って雪織さんは手のひらを握ってバッと開くとかっちゃんに吹雪がまとわりついた。
「かっちゃん！」
「爆豪！じっとしてろ！」
かっちゃんに纏わりつく雪を排除するように、
轟くんは炎をまた、振りかざした。
「てめ！馬鹿！アッチィッ！」
もちろん、かっちゃんごと。
全身焦げかけたかっちゃんは轟くんに向かって爆発しようとする。
「いい汗かけたな。」
「クソが！ぶっ殺す！」
「ば、爆豪さん！轟さんも！Aちゃんを止めることが最優先でしょう！？」
八百万さんの言葉にハッとした2人は雪織さんに振り返ると、構えた。
「あのブス…容赦なしに攻撃してきやがって…」
かっちゃんがまた、襲いかかろうとすると、
雪織さんは少しだけ、悲しそうに視線をそらすと、
手のひらから雪を吹き出した。
吹き出され続けた雪は徐々に形をつくり、
まるで人形のように動き出す。
「緑谷！」
「うん！」
轟くんに促され、人形に向かってスマッシュを撃つ。
「テメェデク！邪魔すんなッ！」
「ここでかっちゃんの個性は無駄遣いしたくない！」
そう、汗なんて一滴もかけない状況で、かっちゃんの爆発を消費させるわけにはいかない。
「ッチ」
「それにしても寒すぎますわ。」
とかいいつつ、八百万さんはコートを創造する。
暖かそう。
「おいA、人形は俺たちには効かない。
どうする？」
轟くんが動きを封じるようにして、雪織さんの背後に氷の塊を作る。
距離をジリジリと詰められた雪織さんはまた、豪雪を吹かせると、轟から距離を取るどころか、背後の氷を吹き飛ばしてしまった。
「テメェ、逃げんなブス！」
かっちゃんは追いかけると、わずかなニトロで両手を爆発させ、雪織さんに追いついた。
そして、両手についた籠手のピンを片側外すと、
目の前の雪織さんに向かって構えた。
さすがの彼女も焦ったのか、ポーカーフェースを崩し、かっちゃんの爆発から避けようとする。
思い切り右腕のレバーを引いた。
「死ねええぇぇえッ！」
左側に逃れた彼女にまるでわかっていたかのように
視線を動かすこともなくその細い腕を掴んだ
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作者名：ほわいてぃべてぃ。(明織) | 作成日時：2017年4月30日 21時
