【MHA】不香の華 (ページ7)

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それから1ヶ月、

僕らは一つの連続事件に悩まされていた。

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____初冠雪連続破壊事件

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初冠雪、なんていい方はこのクソ暑い真夏に
豪雪が定期的に続いているからだと思う。

どこかの天気予報士がこの事例を
夏が過ぎる予兆だ、山頂ではないが初冠雪に違いない、なんて提言したから。

どこかの敵の仕業だっていうことを掴んだヒーローや警察も、この1ヶ月間、それがどこの誰か、手掛かりを掴もうと必死に励んでいた。

僕らだけが知っている事実。

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「____地区にてヴィラン発生。
豪雪の恐れあり、初冠雪連続破壊事件の延長と思われます。」

僕の携帯がまた鳴り出し。
僕は音声を止めると、コスチュームに着替えた。

「雪織さん…」

グッと音がなるまで握った拳を見つめて、僕は家を飛び出した。

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「…緑谷」

「あ、轟くん！」

現場でまた、遭遇した轟くんと顔を見合わせる。

「動けるプロヒーローは？」

「いや、どれも相性が最悪みたいだ。」

轟くんは左腕の炎を大振りすると一時的にその豪雪を雨に変えた。

「先行くぞ半分野郎ッ！」

一時的に雨になった空間をかっちゃんは潜り抜け、
雪織さんがいるであろう冷え切った空気の中を走り出した。

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「かっちゃん、こんなに寒いと…」

「なんも問題ねえ！」

汗なんて一滴もかけないはずなのに、
かっちゃんはどこか余裕そうだ。

「昨日も、一週間前も、その前も！
あのクソアマ、逃げやがって…今日こそはぶっ潰す！」

そう、僕らが初めて遭遇したその日から、
雪織さんは定期的に僕らを襲いかかってくるようになった。

そして、その度に誰よりも早く駆けつけ、
彼女を捕まえようとかっちゃんと轟くんは動いてきた。

けれど今まで捕獲はもちろん接触すらできていないのが現状。

「半分野郎…しっかりサポートしろよ！」

「俺が捕まえる。」

「ちょっと！2人とも協力しようよ！」

「いいえ！あの子を捕まえるのは私の役目ですわ！」

僕らの元に駆けつけた八百万さんが長い鉄の棒を創造しながら、かっちゃんと轟くんを牽制した。

「あ！あそこ！」

僕が目を向けた先には
真っ黒なオフショルダーのワンピースに身を包み、
その上から白いファーのボレロを着ている。

その白い肌と髪に生える黒いワンピース。
そして彼女の雪を彷彿とさせるボレロ。

あまりにも美しすぎるその姿に。
僕らは息を呑んで立ち止まった。