22 ページ22
.
「トマトだろー、ん？肉無えな。よし。」
俺は冷蔵庫を開けて上から下まで物色する。
んで携帯のメモ欄に何があるか、全部メモして、
テーブルに放置してたお財布に手を伸ばした。
「爆豪ー、買い物行ってくるわ。」
ベランダで一息ついている爆豪に声をかけると玄関に向かった。
.
「切島くん、私もついていったらダメ？」
「え？いや、Aちゃんはもしなんかあったら俺が爆豪に殺されっから」
「……じゃあ待ってる」
「なんか食べたいもんとか欲しいもんある？」
玄関先で声をかけてくれた彼女を宥めると、
俺はそう言った。
「歯磨きセットが欲しいかな」
「わかった！んじゃ、爆豪と待っててな！」
スニーカーの爪先をトントン鳴らして靴を履き、
玄関の鍵を開けて外に出た。
「行ってらっしゃい」
後ろからドアを閉める音が聞こえる。
.
.
近くのスーパーに着いて、肉を見物する。
爆豪は牛っつってたな。
うん、俺も牛って気分だ。
牛肉の並んでいるコーナーで、無難に何種類かカゴに入れ、他に切らしていた物を取って行った。
「切島さん？奇遇ですわね」
「八百万！」
後ろから声を掛けられて、振り向くと
深く帽子を被った八百万が。
「八百万も買い物とかするんだな！」
「ええ、今日はお休みをいただいているので買い出しに、と思いましたの。
切島さん、それお一人で？」
俺のカゴを指差し、八百万は不思議そうに首をひねった。
「まさか！Aちゃんがいる間は爆豪に極力家にいて欲しくてよ…って、わ、忘れてくれ今の！」
「A！？ば、爆豪さんの家にいらっしゃるんですか！？」
口をパクパクさせ、驚愕した表情の八百万は俺の肩を掴んだ。
やってしまった、誰にも言わないでおこうって俺から言い出したのによ。
確か八百万は敵Aと遭遇してるんだよな…
あー、どうすっかな。
「……私にも、会わせていただけませんか？」
まあ、八百万は、大丈夫か。
俺は少し戸惑いつつも頷いた。
「その話、本当なら俺も連れて行ってくれ」
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほわいてぃべてぃ。(明織) | 作成日時：2017年4月30日 21時
